「企業のエシカル通信簿」、ファストリの高評価が際立つ: オンワードやTSIは低評価
■青山商事やしまむらが評価を伸ばす
今回、初めての評価対象になったのがTSI、ユナイテッドアローズ、アダストリア、良品計画、ワコールの5社だった。ファストリ、青山商事、しまむら、ワールド、オンワードの5社が2回目の評価となった。 ファストリは前回に続いて高い評価を維持した。青山商事は「人権・労働」分野で評価点が1から7に大きく伸びるなど、各分野で評価を伸ばした。しまむらも、前回調査と比べて、特に消費者の保護・支援分野で評価を高めた。 その他、SSRCによる特記事項は下記の通り。
■NGOからの抗議の有無を2社が開示
[サステナビリティ体制] ・「内部通報しやすい環境整備」として、良品計画は、労働組合を通報窓口に指定している ・「マテリアリティ」(重要課題の特定)において、10社のうち6社はステークホルダーの声を聴いている ・サステナビリティの従業員教育は、ファーストリテイリング、青山商事、ユナイテッドアローズが実施していた ・サプライチェーンの基準違反の事例について、ファーストリテイリングとワコールは、社外からの指摘などの情報収集をしている ・ステークホルダーエンゲージメントの結果については、ファーストリテイリング、良品計画、ワコールの3社は経営や製品・サービスに反映している ・NPO・NGOなどからの抗議について、ファーストリテイリングとワコールは、その有無を公表している [消費者の保護・支援] ・なぜ消費者志向経営を行うのか、社内(従業員)及び社外に向けて発信したり社員に浸透させることが重要。ファーストリテイリング、アダストリア、良品計画、ワコール、青山商事、ユナイテッドアローズが研修による浸透に取り組んでいた ・サステナブルコットンへの切り替えなど課題解決型商品は、8社で提供していた [人権・労働] ・女性活躍、子育て支援、障害者雇用に関しては、全企業が何らかの取組みを実施していた。 ・子育てサポート企業「くるみん」認定は4社(ワコール、オンワード、青山商事、ユナイテッドアローズ) ・女性管理職比率も各社向上していた。 ・障害者雇用率はほぼ全社が法定以上の2.4%を達成。障害者雇用策も実施している。 ・LGBTQ+への何らかの取組みは7社が実施(FR、アダストリア、良品計画、ワコール、TSI、青山商事、UA) ・うち4社は、「同性パートナーを異性配偶者と同等に扱う」などの配慮している