[MOM4878]札幌大谷MF笹修大(3年)_“飛び抜けた”メンタルも強み。今治内定ボランチが2点を演出するなど攻守で抜群の動き
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [10.27 選手権北海道予選準決勝 札幌創成高 1-2(延長)札幌大谷高 札幌サッカーアミューズメントパーク] 【動画】あのちゃんがサッカー上手すぎ…W杯優勝FWが驚愕「自分の同僚とやってる感覚だった」 FC今治内定の注目ボランチが、2得点を演出するなど攻守両面で抜群のプレー。延長前半の勝ち越し後にはベンチにシステム変更を提案し、試合を締めて勝利へ導いた。 U-17日本高校選抜のMF笹修大主将(3年=札幌大谷中出身)はこの日、ビルドアップの中心になりながら、「あのサイズ(181cm、79kg)で、ほんとに90分のゲームだと13キロから14キロくらい走るんですよ」(清水隆行監督)という運動量でピッチを縦横無尽に駆け抜けた。 前半10分には流れの中でゴール前に走り込んでヘディングシュート。その後もGKの近くまで落ちてボールを引き出し、縦パスを差し込むなどゲームメークすると、前半32分には敵陣中央で1タッチパスをMF曽我部修羽(3年)へ通して先制点を演出した。 「あれは練習で結構やってる形で、逆サイドから展開した時に右の曽我部が前取ってくれるんで、1タッチでスペースに流すっていうのは結構やってたんで、そこの部分はしっかり試合で出てたと思います」 攻撃を落ち着かせ、またチャンスメークする一方、スライディングタックルでの奪い返しやコンタクトの強さを活かしたダイナミックな守備。後半立ち上がりには相手の決定機でゴール前からボールをかき出すシーンもあった。 チームは後半13分に追いつかれたが、笹は同29分にも決定的なプレーを見せる。自陣で味方が奪い返したボールを左中間から逆サイドへ展開。そして、DFラインを再びサポートしてボールを動かすと、そのまま中盤右のスペースを突く。笹への縦パスはDFに当たったものの、右足のつま先でコントロール。すぐさま左前方のFW簗詰夕喜(3年)へ鋭いパスを通し、これがPK獲得に繋がった。 簗詰のPKが外れて勝ち越しとはならなかったが、延長前半7分、左CKから笹は頭で簗詰の決勝点をアシストした。セットプレーで密着してきた相手DFに対し、「もう密着してる分、先に跳んでやれば相手も跳べないなと思ってたんで」と先に跳躍。駆け引きを制した10番はDF頭上からのヘッドでパスを繋いで歓喜をもたらした。 その後は、前線に張ってくる札幌創成高の特長を踏まえて判断し、「(4-4-2システムから)4-1-4-1に変えていいですか」とベンチに提案。その案が採用されたことによって、笹はよりポジションを後方へ落とし、時にDFラインに入って相手の反撃を断ち切った。 札幌大谷の清水監督は「この1年の中でも、プロ決まってから、今治さんに行くことが決まってから、またちょっと成長しています」という。今治の練習参加を経て得意とするデュエルの部分やヘディングの部分をより伸ばしてきている。また、課題だったスプリント力強化にも取り組んでレベルアップ。攻守ともにより高水準なボランチになってきている印象だ。 加えて、元々キャプテンシーの強い選手だが、現在は“ピッチの監督”と言えるような存在に。清水監督は「ある意味、平均値が凄く高いと思っていて。プロになるって飛び抜けたものがないとっていう話はやっぱり色々なところでされたんですけど、ボクはアイツの飛び抜けているのがメンタルだと思っていて。だから、プロの世界に入ったら、もちろん最初から上手くはいかないだろうけど、ステップアップするんじゃないか」と期待する。 本人は今治で「やっぱり、(サポーターの方々には)ストロングの部分、ヘディングで、空中戦で負けないだったり、あとは切り替えの速さとか、攻守に貢献するその激しいプレーとかそういうところを見て欲しいです。(1年目は)まずは試合に出ないと始まんないと思ってるんで、スタメンに定着するっていう部分をキャンプからアピールしてやっていきたいですし、結果としてはチームとしての優勝って部分が最後にあると思うので、そこに貢献できれば自分としてはいいかなと思っています」と意気込んでいる。今治の先輩で、U-19日本代表のMF横山夢樹のように、年代別日本代表入りすることも目標だ。 今治の関係者たちに自分を見てもらうためにも、現在は選手権出場に全力。「そこはもうほんとに今治サポーターのためにもマストになってくるし、やっぱ最後、この3年間やってきた仲間と優勝するって部分もまだ見れてないので、そこはほんとに全員でこだわってやっていきたいです」と力を込めた。キャプテンとしてチームを支えること、身体を投げ出してでも戦うことを決勝(11月2日)でも「絶対止めないで続けていきたい」という笹が、札幌大谷を4年ぶりの選手権へ導く。