【中田良弘氏の眼】阪神・村上はいい時に戻りつつある 今季初バッテリーの梅野に本来の良さ引き出してもらった あえて高めの直球
「阪神1-3楽天」(4日、甲子園球場) 岡田阪神は延長十回に5番手のゲラがつかまり、惜敗。7カード連続で初戦黒星スタートとなった。それでも先発の村上は中13日の登板で6回1失点と粘投。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏は「いい時に戻りつつある」と評価した。 【写真】糸原豪快ダイブでカメラマン席へ 気迫のプレーで三邪飛を捕った! ◇ ◇ 村上は状態がいい時に戻りつつある。今季初めてバッテリーを組んだ梅野に、本来の良さを引き出してもらったと言ってもいいだろう。 立ち上がり、梅野は高めの真っすぐを要求するシーンが何回かあった。 ピッチャーはストライクゾーンの四隅、四隅を狙って投げ続けると、どうしても体の使い方が小さくなってくる。結果が残っていないとなおさらだ。梅野は思い切って腕を振らせるために、あえて高めの真っすぐを要求したのだろう。それもあってか村上は初回、走者を出しはしたが、しっかりとキレのいい真っすぐを投げ込みながら、スムーズに立ち上がることができた。 6回を6安打7奪三振1失点は十分な結果だ。課題を挙げるとすれば、105球と少し球数が多かったところになる。 打線が低調でなかなか援護が望めない中、より慎重に、慎重にという思いは理解できるが、もう少し早めに勝負をかけてもいい。それだけのボールを投げられている。勝ち星が付いてくれば、グッと乗っていけるはずだ。 ゲラは春先のいい時に比べて、真っすぐに勢いがなくなっている。この試合でも156、7キロは出ていたが、コースを狙い過ぎてもうひとつ、腕が振れていない。 先頭のフランコに初球のスライダーを中前に運ばれたように、最近はスライダー系の変化球を打たれるケースも目立つ。打者を何とかかわそう、かわそうとして窮屈なピッチングになっている。自信も失いつつあるように思える。2軍再調整となるようだが、一度リフレッシュして良い状態で戻ってきてもらいたい。