「カードローン」希望通りの金額で借入れできた人は50.3%のみ。元銀行員が利用できる人と注意点を解説
カードローンでは「年収の3分の1以上」を超える借り入れはできない
また、カードローンの利用時に知っておきたいのが、「総量規制」についてです。 総量規制とは、貸金業法で定められている借入額に対する規制を指します。 この総量規制では、貸金業者に対して「年収の3分の1を超える貸付を行ってはならない」というルールが定められています。 たとえば年収が300万円の場合、100万円を超える借り入れを行うことはできません。 「審査のときに他社での借入までは把握できないのでは?」と思うかもしれませんが、貸金業者は審査の際に「信用情報機関」から提供される情報をもとに、他社での借入状況も把握することができます。 そのため、「すでに他社で多くの借り入れがある」といった場合は、借入限度額が低く設定されたり、審査に通過できなかったりすることもあるかもしれません。 なお、この総量規制が適用されるのは、貸金業法の対象となる貸金業者から借り入れる場合のみです。 たとえば銀行は貸金業法の対象となりませんので、総量規制についても対象外となります。 とはいえ、銀行でも自主規制に基づいたルールを定めていますので、年収に対して大きすぎる借り入れは行えない可能性が高いでしょう。 ●借入では個人の属性も重視される 借入限度額を設定する際は、個人の属性も重視されます。 個人の属性とは、年収や勤務先、勤続年数、家族構成といった返済能力を判断するうえで必要となる情報です。 たとえば、「勤続年数が長く、収入が安定している」という場合は、審査でプラスに働く場合があります。 反対に、「転職を繰り返しており、収入が不安定」といった場合はネガティブな印象を持たれることもあるかもしれません。 審査ではこうした属性や信用情報を総合的に判断したうえで、利用限度額が決定されます。
借入時はきちんと返済計画を立てることが大切
最近では、オンライン上で手続きが完結するカードローンもあり、手軽に借り入れができる手段として広く知られています。 しかし、その手軽さゆえに無計画に利用していると、「返済が膨らんで家計が圧迫されている」ということにもなりかねません。 借り入れを行う際は、きちんと毎月の収支を把握したうえで「これくらいなら返せる」という計画を立てたうえで利用するようにしましょう。
参考資料
・金融庁「貸金業利用者に関する調査・研究」 ・金融庁「貸金業法のキホン」
椿 慧理