コムキャスト、ケーブル事業スピンオフを検討-加入者流出に対応
(ブルームバーグ): 米メディア・ケーブルテレビ(CATV)大手のコムキャストは、ケーブル事業をスピンオフ(分離・独立)して新会社にすることを検討していると明らかにした。CATV業界全体に広がる加入者解約の波に対応する。
マイク・カバノー社長は「既存株主向けに、当社のCATV事業ポートフォリオで構成する資本力の高い会社を創立するのは良い構想かどうか、検討を始めるつもりだ」と、決算発表後のアナリスト会議で話した。「配信サービスのピーコックや放送ネットワークはこの対象ではない」と述べた。
CATV業界は契約者を動画配信サービスに奪われており、この傾向は強まる一方だ。ワーナー・ブラザース・ディスカバリーとパラマウント・グローバルは4-6月に、合わせて150億ドル(約2兆2900億円)の減損費用を計上した。この流れが近く変わる兆しはなく、各社とも経営陣はスポーツ中継などのライブイベントに重点を移している。
コムキャストの31日発表によれば、7-9月(第3四半期)に流出したCATV契約者は36万5000人。同社のケーブルネットワークにはニュース専門局MSNBCや経済ニュース専門局CNBCなどが含まれる。
第3四半期の売上高と利益はアナリスト予想を上回った。夏季オリンピックの広告収入が14億ドルに達し、NBCユニバーサル部門を支えた。
全体の売上高は6.5%増の321億ドルと、アナリスト予想の317億ドルを上回った。調整後の1株当たり利益は1.12ドル。アナリスト予想は1.06ドルだった。
原題:Comcast Is Considering Spinoff of Cable as Subscribers Flee (1)(抜粋)
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Kelcee Griffis