老舗ホテル大きな決断。新婚旅行ブームに火をつけ、Jキャンプ誘致に昭和レトロのゲーセン…各世代のノスタルジーが詰まる指宿いわさきホテル6月休館、地元の思いは?
2025年6月からの休館が明らかになった指宿市の指宿いわさきホテルは、開業70年近い歴史を持ち、1972年の太陽国体では天皇皇后両陛下が宿泊するなど、市の観光業をけん引してきた。観光関係者は「指宿振興に大きな役割を果たしてきた」と述べる一方、受け入れ態勢の低下を懸念し早期の再開を望んだ。 【関連】コロナ禍後も団体旅行は不振、富裕層向け「ヴィラ中心のリゾート」へ転換 指宿いわさきホテル、休館は「数年の間」
「指宿を引っ張ってくれたリーダー的存在だ」と話すのは、同市の温泉旅館いぶすき秀水園の湯通堂(ゆつどう)温(あたか)社長(70)。指宿いわさきホテルは、湯治場で有名だった指宿にいち早く近代リゾートを取り入れ、「新婚旅行ブームの火付け役となった」と地元の観光関係者は声をそろえる。 約33万平方メートルの広大な敷地には美術館やサッカー場も備え、複数のJリーグクラブのキャンプも受け入れてきた。9月に営業終了したジャングルプールは多くの家族連れでにぎわい、レトロな機種をそろえるゲームセンターには国内外からファンが集う。運営する岩崎グループ(鹿児島市)の岩崎芳太郎社長は「それぞれのノスタルジーがある」と振り返る。 指宿市観光協会の川畑徳廣専務理事(66)は「指宿の観光を大きく支え、育ててきたホテル。海外客の受け入れ実績も豊富で、休館のインパクトは大きい」。営業再開時期は未定で、今後、市内ではいぶすき菜の花マラソンのようなイベント時の客室不足も懸念される。「なるべく早く再開の動きを示して」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島
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