【図解】18歳成人、不妊治療の保険適用拡大、男性育休促進…4月からの制度改正まとめ
4月から、私たちの暮らしにかかわる法律や制度の大きな改正が行われます。成人年齢の18歳への引き下げ、不妊治療の保険適用の拡大、年金受給開始年齢の上限引き上げなどです。それぞれ詳しく紹介していきます。
【民法】成人年齢を18歳に引き下げ
4月1日に改正民法が施行され、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられます。4月1日時点で18、19歳の推定200万人超の人たちが、この日から「大人」となります。 すでに選挙権は公選法改正で2016年から付与されていますが、これまでと大きく変わるのは、18歳から親の同意なしに携帯電話や賃貸住宅の契約ができるようになることです。ローンやクレジットカードなどの契約も同様です。また、親権に服さなくなるため、自分の住む場所や進学、就職などの進路も自分の意思で決められるようになります。 女性が結婚できる最低年齢は16歳から18歳に引き上げられ、結婚できるのは男女ともに18歳以上となります(ただし、4月1日時点ですでに16歳以上の女性は、引き続き18歳未満で結婚可能)。 一方、成人年齢が18歳になっても、飲酒や喫煙、競馬などの公営競技に関する年齢制限はこれまでと変わらず20歳です。健康面への影響や非行防止などの観点から、現状維持となっています。
【医療】不妊治療の保険適用拡大やオンライン診療
不妊治療の公的医療保険の対象が4月から拡大されます。菅義偉(よしひで)前首相が政権の重要政策に掲げ、政治主導で進めてきました。具体的には人工授精、体外受精、顕微授精や受精卵・胚の培養、凍結保存などが対象となります。 不妊治療はこれまで不妊の原因となる症状の治療などを除き保険の対象外で、大半は自由診療でした。体外受精は1回の平均費用が約50万円で、国は費用の一部を助成する方法で対応してきました。今回、関係学会が有効性・安全性を認めた不妊治療が新たに保険対象となります。 ただし、体外受精と顕微授精による受精卵の移植手術について、保険を使って受ける場合は、年齢と回数に制限が設けられています。女性の年齢が治療開始時で40歳未満なら1人の子どもにつき6回、43歳未満なら同3回までとしています。事実婚のカップルも利用できます。 治療費は自己負担が3割の場合、人工授精が5460円、体外受精管理料が1万2600円です。 顕微授精や胚の培養、凍結保存の料金は卵子や胚の数によって異なります。 スマホやパソコンを利用するオンライン診療は4月から、病気やけがで初めて受診する際にも使えるようになります。新型コロナウイルスの感染対策として2020年に特例で導入しましたが、恒久化されます。 ただし、対応できる医療機関は21年6月時点で全体の約6%にとどまっています。オンラインでの初診はかかりつけ医の診療が原則です。