岡山から、新たな野球の可能性を追い求めるショウワコーポレーション
「野球への思い」消えず
長友氏は実家の仕事を手伝いながら、芸能プロダクションの仕事も手掛けるようになったが、その一環でスポーツ選手のマネジメントをするようになった。 「野球選手は12月1日から翌年の1月31日まで、球団の管理下から離れます。その期間にテレビやイベントに出るために、球団とは別のプロダクションと契約するんですが、そういう形でプロ野球選手やプロゴルファーとのつながりができたんです」 長友氏の「野球への思い」は、まだ消えていなかった。 地元県美作市の人材派遣会社ショウワコーポレーションが、柵原クラブのスポンサーになり、チームの運営をしていたが、長友氏はそのプロデュースを担当することになったのだ。長友氏はショウワコーポレーションに、元プロ野球選手を派遣することになった。 「ショウワコーポレーションの有元稔社長が、野球がめちゃくちゃ好きな方で、チームを強くしたい、いい選手を作りたいと言う情熱を持っておられるので、2022年、中日を引退した亀澤恭平を指導者として紹介しました。 さらに、元プロ選手も派遣して、彼らを核にチーム作りをすることにしたんです」
変わりつつある社会人野球
日本野球連盟の「登録規定」には 日本プロフェッショナル野球組織構成球団の選手経験者を競技者(選手)として登録する場合は、1 チーム 3 名以内とする。 というルールがある。元プロ野球選手は3人しか登録できない。 長友氏は、元楽天投手の髙田萌生、引地秀一郎、福森耀真の3人を「プロ枠」で獲得した。 亀澤監督と「元プロ」の3選手は、長友氏の会社と契約し、ショウワコーポレーションに派遣される形をとっている。 それ以外の選手は、ショウワコーポレーションの社員として、会社の仕事に従事する傍ら野球を続けている。 以前の社会人野球は「従業員が仕事をしながら野球をする」形だったが、最近は、様々な形態のチームがある。ショウワコーポレーションのスタイルも、新しい形のチーム編成になっていると言えよう。また元プロ野球選手からすれば、こういう形で野球を続けながらの「セカンドキャリア」が開けているともいえよう。