小学校の生徒会長選挙はみじめな最下位…無口でシャイな男の子が「論客」で知られる総理大臣になったワケ
■人生を変えた「松下政経塾」の新聞広告 松下幸之助という人を知っていますか? 今の「パナソニック」という会社の前身を作った日本の有名な経営者です。 私が大学を卒業する時、その松下幸之助が、世直しをする人材を育成するために、松下政経塾という私塾を作ったんです。その第一期生を募集する新聞広告を見てふと応募したのが、人生を変えるきっかけになりました。 一期生の募集だから、当然実績はありません。パンフレットを取り寄せたら、全部イラストで、そのイラストを見たら何となく夢を感じて、ふと応募していたんです。無口でシャイな私が、合格したことで、人生が変わりました。 大学が政治学科だったので、本当は政治記者になって、ジャーナリズムの世界で生きていこうと思っていたんですが、政治家を目指してみようと思ったきっかけが、この松下政経塾という人材育成機関だったんです。 政治家を目指している人の中には、大学時代から弁論部に入る人もいます。政治家になるために、演説やスピーチを学生時代から練習するんです。私は小学生時代の大失敗があったから、まったくそんなことをしようと思いませんでした。人前で話したり、演説したりということには無縁でした。 人前で話したりはせずに政治をよくしていきたいという気持ちがあったので、新聞記者になろうと思っていました。だから、松下政経塾がなければ、政治家にはならなかったと思います。 ■「お金に汚ない政治を変えたい」という思い 私が子どものころ、田中角栄さんという政治家がいました。今改めて評価もされていますが、総理大臣だった当時はスキャンダルが多く、金脈問題やロッキード事件など、多くの事件に関係していました。 その報道を見て、「政治って、なんて汚いんだろう」と思ったんです。私の住んでいる千葉県も、どちらかというと金権風土として有名なところでした。 世の中のためになにかしようとする人たちが、なんでこんな汚れたことをやっているんだろう。それを変えていきたいというのが、政治家を志した発端でした。