「中学受験の志望校、1月に変更してもいいの?」→専門家が教えるギリギリのタイミング
● 志望校変更に役立つ 入試結果に応じた「樹形図」作成 志望校の変更を検討する場合、最も重要なのは「樹形図」の作成です。これは、受験可能な学校の、合格・不合格に関して、あらゆる可能性を想定し、それぞれの場合の対応を事前に決めておく作戦図のようなものです。保護者の方は、この樹形図作成を最重要課題として捉える必要があります。 例えば、2月1日午前の入試で合格だった場合は、午後にどの学校を受験するのか。午前に不合格だった場合は、午後にどの学校を受験するのか。2日午前に合格・不合格した場合はどうするか。さらに3日、4日、最終的には5日までの全てのパターンを想定しておくのです。最悪の事態を考えて、2月5日までにできる併願は全て検討しておくべきでしょう。 実際の受験が始まると、保護者も含めて通常の精神状態を保つことが難しくなります。事前に細かなシミュレーションを行い、その通りに動けるよう準備しておくことが理想的です。当日になって慌てて志望校を探すのは避けるべきですし、かりにぎりぎりまで悩み続けたとしても、決めた瞬間に必要な行動を取れるようにしておくことが重要です。 樹形図は「悪い場合」だけでなく、「良い場合」も想定して作る必要があります。例えば、2月1日と2日で立て続けに合格が出れば、3日目により上位校に挑戦するチャンスも生まれます。当日発表の学校も多いため、自分の持っている偏差値より上の学校に挑戦できる可能性も出てくるのです。それも含めての樹形図です。 特に、最近の中学入試では試験中に合否発表が行われることが多くなっており、「次の手」を即座に決断する必要が出てきます。ただし、開成や麻布といった一部の学校では、全ての試験が終わるまで合否が分かりません。こうした学校ごとの違いも踏まえて、樹形図を作成する必要があります。 考えたくないかもしれませんが、全ての学校に不合格となった際の対応も考えておく必要があります。公立中学への進学は決して悪い選択ではありませんが、全て不合格となって公立に進学するのと、納得した上で公立を選択するのとでは、子どもの気持ちに大きな違いが生じます。受験が始まる前に、こうしたことをご家族でしっかりと話し合っておくことをお勧めします。もし、私立に進まなかった場合に行く予定になっている公立校については、早い段階で下見をしておきましょう。