避けたい新助っ人の“ハズレ”、煽り受ける307HRの大砲…中日に欠かせぬ聖域なき争い
新助っ人の躍動と背水ベテランの意地…チーム浮上に不可欠
井上一樹新監督を迎えた中日は、2025年シーズンに向けて戦力の整理とともに補強にも着手した。新指揮官にとっては“様子見”も必要な1年目。大型補強でチームを作り替えるというよりは、現有戦力の見極めが重要になる。オフは積極的な動きは見せていないものの、足りない戦力は補った。ポジションによっては、新戦力の加入で“煽り”を受ける選手も出てくる。 【写真】中日野手の妻は美人アナウンサー 2019年に結婚した夫人 新助っ人のジェイソン・ボスラー内野手は2024年、マリナーズ傘下3Aで31本塁打、110打点をマークした左の大砲。内外野を守ることができるユーティリティ性で、レギュラー不在の外野の一角や一塁での起用が考えられる。 一塁では、通算307本塁打の中田翔内野手が定位置奪取を目指す。さらに覚醒が期待される石川昂弥内野手も、内野陣の顔ぶれ次第では一塁に回る選択肢も。ボスラーが来日1年目から日本のプロ野球に順応して次々とアーチを繰り出すようなことが起きれば、和製大砲が苦しい立場に置かれるかもしれない。ただ、ここ数年の中日の助っ人大砲は不作続きなのも確かで、蓋を開けてみなければわからない不透明さは残る。 ボスラーが外野に回っても、こちらも激戦。細川成也外野手と岡林勇希外野手は固定となれば、残り1枠。若手や戦力外からの再起組ら候補者は数多いるだけに、競争倍率はチーム内で最も高いポジションになりそう。通算2044安打を放ち、40歳シーズンを迎える大島洋平外野手にとっては、まさに正念場となる。 投手陣では、アスレチックスからFAとなった大型左腕カイル・マラー投手が加入。さらに、ドラフト1位と2位で即戦力左腕を獲得した。先発陣で安泰なのは、2024年に最優秀防御率に輝いた高橋宏斗投手くらい。新戦力や若手の台頭次第では、柳裕也投手やベテランの涌井秀章投手ら実力者でもローテは確約されていない。 リーダーが変わる2025年は、それぞれの選手の立ち位置にも大きな変化が起きる可能性がある。たった1年で正念場、背水の立場に追い込まれるプロ野球の世界。長らく続く低迷期からの脱出を目指す中日には、聖域なき争いが待っている。
Full-Count編集部