暴風雨や都市型水害から身を守るには 本所防災館で体験しながら学ぶ #災害に備える
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台風や記録的な豪雨による気象災害が後を絶ちません。 今年7月には、山形県や秋田県が記録的豪雨に見舞われ、死者や行方不明者が発生しました。8月に入ってからも台風5号が岩手県を直撃。さらに、台風7号も東日本へ接近しており、お盆の後半には強い暴風域を伴って関東地方に迫るとの予報が出ています。 お盆休みに車で移動する人も多いでしょう。近年では道路冠水による車の被害も目立ち、油断はできません。お盆が過ぎても、秋にかけて台風発生の心配は続きます。 備えをするにあたって、被害を生むような水害がどれほどの強さで、どんなところに危険があるのか。具体的にイメージするため、東京消防庁の本所防災館(東京都墨田区)で実施している水害体験ツアーを取材しました。
前を向くのも、助けの声を出すのも困難… 暴風雨の世界を体験
まずは台風が発生した際に最も懸念される暴風雨の体験です。水害が発生するほどの雨や風とは、どれほどの強さなのでしょうか。 今回のツアーでは、大人は1時間に50ミリの雨と風速30メートル(毎秒)、子どもは1時間に30ミリの雨と風速10メートル(毎秒)の暴風を体験できます。 大人が体験した1時間に50ミリ、風速30メートルの暴風雨では、勢いよく雨と風が噴き出し、水しぶきで一気に視界は真っ白に。カメラにも大量の雨水が強く叩きつけられました。 激しい雨と風により、大人でも手すりにつかまってなんとか立っている状況です。「前を見る」というより、「前を向く」のも大変で、足元を見るのがやっとです。また、うなるような轟音が、周りの音や自分の声をかき消してしまいます。目でも耳でも、自分の周りにどんな危険があるのかを確認したり、あるいは助けを求めたりするのは非常に難しい状況です。 子どもが体験した1時間に30ミリ、風速10メートルの暴風雨でも、レインコートが体に張り付くような強い風が吹き、雨風を耐えながら立つのに必死な様子でした。 気象庁のホームページによると、風速30メートルにもなると、人は何かにつかまらないと立てず、車を通常の速度で運転することが困難になると言われています。かなり危険な状態です。この規模の暴風雨が発生した場合、不要不急の外出は避けましょう。もし外出先で遭遇してしまった場合は、雨風が落ち着くのを待って行動した方が良さそうです。