ブラジル代表、背番号10の系譜(4)世界が衝撃…「屈辱と悲劇」。若き天才が母国で躍動も暗転
ブラジル代表は長きに渡ってサッカー界をけん引し、その輝かしい歴史の中で「10」という背番号のイメージも作り上げてきた。世界の覇権を争う舞台で重要な意味を持つ背番号を任された選手たちはどんな活躍を見せたのだろうか。18年ロシア大会までのワールドカップでサッカー王国・ブラジルの背番号10を務めた選手たちを大会ごとに振り返る。※所属クラブは大会前時点、年齢は初戦時点のもの
ブラジルワールドカップ
背番号10:ネイマール(バルセロナ) 生年月日:1992年2月5日(当時22歳) 個人成績:5試合出場/4得点2アシスト 監督:ルイス・フェリペ・スコラーリ 戦績:4位 ワールドカップ最近5大会で最も若いブラジル代表の背番号10は、ネイマールだった。南アフリカワールドカップ直後にA代表デビューを飾った天才アタッカーは、U-23代表の一員として臨んだ2012年ロンドン五輪での銀メダル獲得なども経て、A代表でも主力に定着していく。 そして背番号10を任されて挑んだ初のワールドカップでは、グループリーグ初戦のクロアチア戦と第3戦のカメルーン戦で2得点ずつを奪う活躍を披露し、母国開催の大会で6度目の優勝を目指すチームをけん引した。 ところが、その旅路に暗雲が立ち込めたのは準々決勝のコロンビア戦だった。自ら先制点をアシストし、2-1で迎えた終盤の88分にネイマールは相手DFファン・スニガから激しいタックルを受けた。コロンビア代表DFのひざを背中にもろに食らってしまい、ピッチ上からそのまま病院へ搬送される。診断結果は脊椎骨折の重傷で、もちろん準決勝以降の試合には出場できなくなった。 準決勝に進んだブラジル代表だったが、そこで不在のネイマールの影響力がどれほど大きかったかを思い知らされる。のちに「ミネイロンの惨劇」と呼ばれ、ドイツ代表に1-7で屈辱的な大敗を喫した準決勝はブラジル国民の心にトラウマを残すこととなった。そして3位決定戦でオランダに敗れ、ブラジル代表は母国開催のワールドカップを4位で終えた。
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