イスラエル軍がラファ中心部に到達、完全制圧近づく-AFP
(ブルームバーグ): パレスチナ自治区ガザ南部ラファの中心部にイスラエル軍の戦車が到達したと、AFP通信が報道。イスラエル軍がラファの完全制圧という目標に近づいていることが示された。
AFPによれば、28日には中心部でイスラエル軍とイスラム組織ハマス戦闘員による衝突があったと住民が報告しており、当初は郊外にとどまっていたイスラエル軍の侵攻が前進していることを示唆している。
イスラエルのネタニヤフ首相は数千人のハマス戦闘員や数人の指導者、さらには人質を捜索するために、ラファへの地上侵攻を開始する必要があると以前から述べてきた。この計画は、イスラエルがまず民間人の退去を認めると主張した後も、米国を含む国際社会から非難を浴びている。
国連によれば、ガザの他地域で戦闘が起きている間、およそ100万人の住民がラファに避難してきている。約8カ月に及ぶ戦争で壊滅的な被害が出ており、住民の行き場は限られている。26日にはイスラエルの空爆で、ラファ北西部にある避難所密集地で推定45人のパレスチナ人が死亡。厳しい状況が明らかになった。
イスラエルはこの攻撃が「正確な情報」に基づくもので、ハマス幹部2人を殺害したと発表。ネタニヤフ首相は民間人死亡を「悲劇的な過ち」だと述べた。
AP通信によると、28日にもイスラエルがラファを攻撃し、少なくとも16人のパレスチナ人が死亡した。
避難民が押し寄せ、ラファの人口が約140万人に膨れ上がっているが、イスラエルは民間人の犠牲を抑えながらラファに侵攻することを表明していた。米国と他の同盟国は犠牲者が大量に出ることを恐れており、イスラエルに攻撃計画を中止するか、大幅に縮小するよう求めてきた。
この戦争は中東不安に火をつけ、イスラエルへの批判を広めた。国際司法裁判所(ICJ)は24日、ラファでの軍事活動を即停止するよう命じた。国際刑事裁判所(ICC)の主任検察官は20日、ネタニヤフ首相とガラント国防相、ハマス指導者の逮捕状を請求した。