たけし「年金が月に6万円、めまいがして倒れた」、どんな制度になってる?
ビートたけしさん(76)が「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系、11月19日放送)で、年金について、「1カ月に6万円だったもん。めまいがして倒れた」と発言して、大きな話題になった。 たけしさんは「厚生年金とかないからね、結局」と語り、パトリック・ハーランさんから「多くの国民は、たけしさんに給付しなくてもいいと思っている」と返されていた。 たけしさんが入っている国民年金は、いくらのお金を払い、いくら給付される仕組みなのだろうか。蝦名和広税理士に聞いた。 ●国民年金の老齢基礎年金が月66,250円 国民年金は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての方が加入対象となる公的年金制度です。まずは基本的な内容を見てみましょう。 <国民年金の掛金(保険料)はいくら?> 2023年度の国民年金の月額保険料は全国一律で16,520円です。 ただし、第一号被保険者であって、収入が少ない等の理由で保険料の納付が困難な場合は、各種の免除制度が利用できます。 <年金はいくらもらえるの?> 基本的な年金額は、保険料納付済期間が40年間の場合、2023年度で年間795,000円、月額66,250円(昭和31年4月2日以後生まれの場合) の老齢基礎年金が支給されます。たけしさんが「6万円」と発言しているのはこのことだと考えられます。 ただし、これは満額であり、加入期間が短い場合や免除を受けた期間が多い場合は、その分だけ給付額が減少します。年金を受け取るためには、受給資格期間が10年以上必要です。 <厚生年金との違いは?> 厚生年金保険は、企業に勤めるサラリーマンや公務員が加入する制度で、給与に応じた給付(報酬比例部分)が国民年金に上乗せされる仕組みです。これにより、厚生年金加入者は国民年金より高額な年金を受け取ることができます。 ●厚生年金に加入していなければ、報酬比例部分の給付はない ビートたけしさんのような芸能人の方は、一般的には自営業者のように国民年金のみの加入者となる場合が多いので、給付される年金も国民年金に基づく老齢基礎年金のみとなりそうです。(芸能人の方でも法人経営の場合は原則厚生年金に加入となります) 厚生年金に加入していない場合は、どんなに所得が多くても報酬比例部分の給付はありません。そのため、受け取れる年金額が限られることになります。 高所得者かつ国民年金加入期間が長い方は、年金以外の老後の資金計画を検討することが重要ですね。 なお、60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合や、40年の納付済期間がないため老齢基礎年金を満額受給できない場合などで年金額の増額を希望するときは、60歳以降でも国民年金に任意加入できる制度もあります。 【取材協力税理士】 蝦名 和広(えびな かずひろ)税理士 特定社会保険労務士・海事代理士・行政書士。北海学園大学経済学部卒業。札幌市西区で開業、税務、労務、新設法人支援まで、幅広くクライアントをサポート。趣味はジョギング、一児のパパ。 事務所名 :Aimパートナーズ総合会計事務所 事務所URL:https://office-ebina.com
弁護士ドットコムニュース編集部