スーパー台風接近で台湾厳戒、高雄付近に上陸へ フィリピンでも大きな被害
(CNN) フィリピンで大きな被害を出したスーパー台風「クラトーン(18号)」が台湾に接近している。1日には台風の上陸に備えて軍が配備され、学校や事業所が閉鎖されるなど厳戒態勢に入った。 【画像】洪水被害から救出されるフィリピンの被災者 クラトーンはカテゴリー4のハリケーンに匹敵する勢力に発達し、台湾とフィリピンの間のルソン海峡を北上している。 現地時間の2日午後か3日午前には、やや勢力を弱めて台湾南部の港湾都市・高雄に上陸する見通しで、台湾を縦断しながら北東へ進む台風に伴い、大雨や暴風、高潮が予想される。 フィリピンでは最北のバタネス州で大雨による洪水が発生。フィリピン通信社によると、国家災害対策当局は1日、約2万3000世帯が被災したことを明らかにした。当局は被害状況の調査を進めている。 台湾の頼清徳(ライチントー)総統は1日、台風接近に備えて設置された対策センターを訪れ、「台風クラトーンは強風と大雨、高潮を伴う強い台風になった。壊滅的な被害をもたらす見通しだ」と語った。 台湾の中央気象局は南部と東部の海上と陸上に警戒警報を出し、今回の台風は速度が遅いために危険が大きく、南東部では所によって豪雨の恐れがあるとして警戒を呼びかけた。 台湾南部の最大都市・高雄では、当局が1690人を危険区域から避難させた。 台湾国防部は9月30日、住民の避難や救助活動を支援するため、兵士1万5000人あまりを各地で待機させていると発表した。 台湾東部では一部列車の運行が停止され、花蓮県では土砂崩れのために高速道路の一部が通行止めになっている。