1ドル=160円まで円安加速のリスク、為替ウオッチャーら予想
政治的な不透明感も円安を加速させている。日本では27日投開票の衆議院選挙の結果次第で、政府と日銀のコミュニケーションが複雑になる可能性がある。トレーダーらは約2週間後に迫る米大統領選挙にも備えており、トランプ前大統領の勝利に賭ける向きが円売りを推し進めている。
「大統領選後の財政リスクがトランプ氏勝利でさらに加速するリスクが意識されており、短期的に長期金利は下がりづらい」と、ファイブスター投信投資顧問の下村英生シニアポートフォリオマネジャーは指摘する。
一部のストラテジストは短期的には円安が進むとみると同時に、目先の政治リスクが収まれば、円相場が上昇方向に転じることも想定している。
アセットマネジメントOneの竹井章ファンドマネジャーは、短期的には160円程度までの円安・ドル高があり得るとした上で、年末に向けて米国の長期金利は低下していくと予想。円相場も「場合によっては150円よりも円高に戻る可能性はある」と述べた。
--取材協力:船曳三郎、Ruth Carson.
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Mia Glass, Daisuke Sakai