飼い主の前で蹴飛ばされた柴犬 12年間信じた人との別れで心は深く傷ついた 「幸せいっぱいで楽しく暮らそう」スタッフは涙した
帰り道、スタッフは涙が止まらなくなった
帰り道、スタッフは悔しさで涙が止まりませんでした。 12年もの長い間、飼い主を信頼していたであろうワンコが、いきなり引き離されてしまうこと、最後にも当たり前のように蹴飛ばされたこと。スタッフはあらためて強い思いと願いを胸に刻みました。「辛い思いをしたこの柴犬を、いっさいの不安のない生活につなげてあげたい」「どうか体調を壊さず穏やかに過ごして欲しい」と。 飼い主がつけていた名前「ゴンちゃん」のままで呼び、保護施設で他のワンコたちと世話を続けることにしました。
「ゴンちゃんがここを気にいってくれたら…」
保護から1カ月ほど、ゴンちゃんはずっと悲しい顔をして何かを考え続けている様子で、エサもなかなか口にしてくれませんでした。 「僕の飼い主さんどこに行っちゃったんだろう」「僕は、このままここで過ごしていて良いんだろうか」「飼い主さんのところに戻りたいよ」。ゴンちゃんがそんなふうに考えているようにも見え、その悲しげ表情にスタッフは胸が締めつけられました。 それでも、スタッフや他のワンコたちからのたっぷりの愛情を受け、少しずつゴンちゃんの表情が柔らかくなり、散歩の際には笑顔も見せてくれるようになりました。 12歳のシニア犬であることを考えると、新しい里親さんと出会いは難しいかもしれませんが、その上でスタッフはゴンちゃんにこう話しかけてあげました。 「ゴンちゃんに『ずっとのお家』が見つかれば良いけど、もしゴンちゃんがここを気に入ってくれたらずっと暮らしてくれても良いんだよ。とにかくこれからは幸せいっぱいで楽しく暮らしていこうね」 (まいどなニュース特約・松田 義人)
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