【阪神】岡田彰布監督が史上20人目の監督通算700勝 近本光司外す大ナタに打線応えて8点大勝
◆JERAセ・リーグ 阪神8-1中日(27日・甲子園) 久しぶりの大勝で節目を飾った。阪神・岡田彰布監督(66)が、プロ野球史上20人目の監督通算700勝に到達。「忘れていましたけどね」と少し恥ずかしがりながら、記念ボードを掲げた。8得点以上は5月16日の中日戦(バンテリンD)で9点を奪って以来、約1か月半ぶり。6月の打率1割6分7厘の近本を「ずっと悪かったからや」と今季初めてスタメンから外す大なたを振るい、直近5試合連続2得点以下だった貧打線に刺激を与えた。 代わって1番に入った島田が2安打3出塁。二盗失敗もあったが「思い切っていった結果。いい仕事をしました」と、虎将も絶賛の働きで流れを変えた。0―0の7回無死一、三塁で大山が先制の左前適時打を放つと、眠っていた猛虎打線が爆発。3番の森下から大山、前川、佐藤輝と軸になる4人に打点がついた。それでも、指揮官は「そんなん今日一日で終わったら一緒やからな」と、厳しい表情で手綱を締めた。 勝率5割で迎えた7日の西武戦(甲子園)前の野手ミーティング。岡田監督は「開幕のつもりで」という精神的な鼓舞に加え、ボールを捉えるバットの軌道など複数の技術的な助言まで付け加えた。昨季は一度もなかった全体への打撃理論の伝授。日本一の昨季は“静”が目立った虎将だったが、今季の34勝は常に動いてつかんできた。 近本の次戦での先発復帰を問われた監督は「分からへん」とした上で「これで(先発を)外したら島田は怒りよるやろ。みんなプロなんやから試合に出てなんぼなわけで。(レギュラーを)脅かそうと思って練習してるわけやからさ」と続けた。監督通算700勝目も、まだ道半ば。球団史上初の連覇へ―。その用兵術が命運を握る。(中野 雄太)
報知新聞社