宮崎で震度6弱! 気象庁が「巨大地震注意」を発表!! 迫る南海トラフ地震、実は東京もヤバい!
――首都圏に住んでいる人間も南海トラフ地震は人ごとじゃないということですね。神奈川県でも大きな地震がありましたが、首都直下地震の発生確率はどうでしょうか? 鎌田 首都直下地震は19ヵ所の震源域があるといわれています。そのひとつが神奈川県西部です。ですから、8月9日の地震は、首都直下地震の小さなものが起きたといってもいいでしょう。この地震のマグニチュードは5.3でしたが、M7.3のものが起きると約100兆円の被害の出る「本番」の首都直下地震になります。 南海トラフ地震は約100年周期で起こっていますが、首都直下地震はいつ起きるかわかりません。そして、2011年に起きた東日本大震災が、首都直下地震を起こしやすくしているともいえます。 東日本大震災は1000年の周期で起こっており、前回は平安時代869年の貞観地震でした。この地震が起こると、「大地変動の時代」となり、その後、数十年間は首都圏を不安定な状態にします。19ヵ所ある地震域のどこかが動く可能性があるのです。 現在は、南海トラフ超巨大地震を前に内陸地震が増える時期でもあり、東日本大震災の後でなかなか地震が減らない時期です。運悪く、ふたつの巨大地震が起きる「季節」が重なった時代というわけです。 ――東京も実はヤバいということですね。 鎌田 そうです。特に地震後は火災が発生し、ビル風によって炎を伴った強い風の「火災旋風」が起きる可能性が高いので注意が必要です。特に東京23区の西部は木造住宅が密集しているため延焼被害が心配されています。 また、東部は地盤が軟弱なため、液状化して家屋の倒壊被害が大きくなるでしょう。首都直下地震では60万棟以上の家屋が全壊・焼失するといわれていて、犠牲者は最大2万3000人になると予想されています。 ――南海トラフ地震も首都直下地震もどちらも怖いですね。 鎌田 実はほかにもM9クラスの地震が起きる地域があるんです。それは、岩手県沖から北海道日高地方沖の日本海溝沿いにある震源域と、襟裳岬から千島海溝沿いの震源域です。政府は前者がM9.1で、後者がM9.3と想定しました。これは東日本大震災のM9.0よりも高い数値です。 また、政府は沖縄の琉球海溝を震源域に南西諸島周辺でM8の地震が起きる可能性があると発表しています。今後30年以内にM7の地震が起きる確率は与那国島周辺で90%以上、沖縄本島に近い南西諸島北西域で60%です。 このように日本列島は、北から南までM9クラスの地震を警戒しなければいけないことを知っていただきたいと思います。 * * * 日本はどこでも巨大地震が起きる可能性があるということを肝に銘じておきたい。 取材・文/村上隆保 写真/時事通信社