ついに世界銀行も「習近平」経済を危惧…!フィリピンからも見限られた没落中国で緊張が高まる「台湾有事」と、さらにヤバい「本当の脅威」
一気に高まる「南シナ海の緊張」
周辺諸国を中心に国際社会は是々非々で中国と対峙する傾向を強めるだろうが、中国がこれまでと同様の拡張主義を取り続けたら、軍事的な衝突の可能性は排除できなくなる。 そのリスクが最も高いのが南シナ海だ。 フィリピンのマルコス大統領は10日、中国の李強首相も出席している会議の場で「中国から継続して嫌がらせや威嚇を受けている」などと訴えた上で、南シナ海における紛争を防ぐためのルール作りを加速するよう要求した。 フィリピンが南シナ海の領有権を巡り中国を対面の場で非難したのは異例のことだ。 面子をつぶされた中国側は怒り心頭だろう。「フィリピンへの軍事的圧力をさらに強めるのではないか」との不安が頭をよぎる。 フィリピンの動きに反中的な傾向が強いベトナムなどが同調すれば、南シナ海の地政学リスクは一気に高まることだろう。
弱くなる中国で起きかねない「本当の有事」
独国際放送局ドイチェ・ヴェレ(中国語版サイト)は8月下旬、南シナ海の領有権を巡る中国と近隣諸国の争いが世界の貿易に与える影響を報じた。 記事は、「この海域はアジアと欧州、中東、アフリカを結ぶ重要な航路となっており、年間数兆ドルの商品が行き来している。有事の際には米軍がマラッカ海峡を封鎖する可能性もあり、その悪影響は計り知れない」と結論付けている。 「弱くなる中国」について語られるようになっているが、その脅威は「台湾有事」だけではない。最大の脅威は南シナ海における中国の逆ギレ的な軍事行動なのではないだろうか。 さらにつづく記事『習近平、もう手遅れだ…中国19億人の“ケチケチ旅行”が映し出したデフレ経済「悪夢の真相」』でも、中国経済の深刻な状況をお伝えしているので、参考としてほしい。
藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)