電気自動車でご飯が炊ける!? 地元中学生がEVバッテリーを“発電機”として活用、災害時の電力供給源としての役割を学ぶ 岐阜・大垣市
思いがけない自然災害が全国各地で発生する日本。誰もが常に災害への“備え”が必要となる今、電気自動車を“蓄電池“として活用する方法を学ぶ職業体験学習が行われました。
2024年10月25日(金)、岐阜県大垣市で自動車修理や塗装など手掛ける『坪井鈑金おくるま専科』が実施したのは、“電気自動車でご飯を炊く”というユニークな職業体験学習。 学習に参加した『大垣市立東中学校』の中学生たちは、電気自動車から電気を取り出し、炊飯器でご飯を炊いたり、電気ケトルで沸かした湯でココアやお茶を楽しんだりするなど電気自動車の新たな可能性と活用方法を学びました。
充電する車両ポートに直接100Vに変換する装置を取り付け、家庭用コンセントをさすことで電気を取り出した中学生たち。実施時には、“自動車から電気を取り出せること”に驚きの声があがり、「ご飯が炊けてびっくりした」、「お湯を沸かして飲み物が飲めてすごいと思った」など声が寄せられたといいます。
『坪井鈑金おくるま専科』代表取締役社長・坪井英倖さんは、「真剣な眼差しで話を聞いてくれてました。通常の授業とは違う新しい経験に、胸が踊っていたようにも感じています」と、中学生たちの様子を振り返りました。
「電気自動車を単なる移動手段だけでなく、大容量の蓄電池として機能することを知ってほしい」という、『坪井鈑金おくるま専科』の思いが込められた今回の体験学習。そこには、災害時における食料や飲料水、住居の確保などの“備え”について、どのように向き合っていくべきか考えて続けてきた坪井さんの日々がありました。
坪井さん曰く、災害時には発電機の代わりに使用することができ、騒音や排気ガスも無いため、体育館など室内でも使用することができる電気自動車。炊飯器なら200回、冷蔵庫なら1ヶ月弱、スマートフォンなら3000台を充電することができるといいます。 また能登半島地震の際、Hyundai Mobility Japanが電気自動車を派遣したことを知った坪井さん。その際、日常で使用する車をそのまま災害時に“蓄電池”として利用することは、非常に役に立つことだと実感したといいます。
岐阜県大垣市の“老舗”として、自動車修理などを手掛けてきた『坪井鈑金おくるま専科』。同社で所有する電気自動車の活用方法のひとつとして、坪井さんは「災害時、せめてこの地域に住む人々のスマートフォンの充電器や給湯器などの代わりとして持って行って、少しでも助けになりたい」と、地元への貢献を目指します。 電気自動車の新たな活用を、“ご飯を炊く”というユニークな方法で体感した地元の中学生たち。職業体験学習で得た学びと発見が、今後の街全体の災害への“備え”へと繋がっていくことでしょう。