今年のU-18日本代表は“日大三風攻撃型チーム!”近大相手に12安打、宇野、花田、石塚、徳丸の4連打も!【高校日本代表詳細レポート】
9月2日から8日まで台湾(台北・桃園)で開催される「第13回 BFA U18アジア選手権」に出場するU-18日本代表の国内合宿が24日からスタートした。25日には近畿大とのオープン戦を行い、相手は1、2年生主体の構成であったが、3対2で勝利を収めた。実戦1試合を終えて、今年のチームカラーが見えてきた。
大学生パワーピッチャーを相手に12安打の猛攻!
チームを率いるのは日大三で強打を武器に2度の全国制覇を達成した小倉全由監督だ。 結団式前に行われた記者会見では目指す野球についてこう答えている。 「日大三で監督をしていたときは強打、打撃のチームと呼ばれていて、小倉が作るチームは強打しかないと言われますが、やはりアジアで勝つには、送るところは送る。走るところは走る。そういう野球をしないといけないと思っています。まずしっかりと守れること。そして自分のスイングがしっかりとできる選手を選出しました。その中で走れる選手たちも選んでいます」 走攻守で能力が高い選手を厳選した結果、全員が甲子園経験者となった。 「甲子園出場ありきではなく、能力、精神力の強さが求める基準に達した選手、そして私が見た試合で、推薦したいなと思うほどの活躍をした選手を選びました。そのケースがすべて甲子園出場の選手だったんです」 とはいうものの、近畿大戦は、日大三らしい強打が目立った試合だった。 1回表、先発の今朝丸裕喜投手(報徳学園)が制球を崩し、守備も乱れて2失策で2点を失った。近畿大の先発は有方祥互投手(1年=近大附)。チームを昨春の近畿大会に導いた右の好投手で、当時は130キロ後半だったが、この試合では140キロ中盤(最速146キロ)のストレート、130キロ前半のスライダーを投げ込んでいて、高校生ではなかなかいないパワーピッチャーに成長していた。あっさりと二死を取られたが、3番宇野 真仁朗内野手(早稲田実業)、4番花田 悠月内野手(智辯和歌山)が左前安打を放って一、二塁のチャンスを作ると、5番石塚 裕惺内野手(花咲徳栄)が中前安打を放ち、宇野が自慢の脚力を活かしてホームイン。そして6番徳丸 快晴外野手(大阪桐蔭)も右前安打を放ち、一気に同点に追いついた。 その後、7回裏に一死満塁から徳丸のサヨナラ打でU-18代表が近畿大相手に勝利を収めた。 この試合、特筆すべきは12安打を放った打線だ。そのうちマルチヒットを打ったのが宇野、花田、石塚、徳丸、8番櫻井椿希と5人もいた。近畿大の投手陣は有方以外にも140キロ台の速球を投げる投手が多く、力強さがあった。それでもしっかりとヒットにできる選手たちに小倉監督は「大学生の投手はみんな力がありますよね。そういう投手が打てたことは推薦した者からしても嬉しいです」と語った。 中でも4番花田は、甲子園初戦の霞ヶ浦戦の本塁打で選出を決めたという。 「私が見た打席で、彼は木製バットで大きな本塁打を放ちましたね。この一打を見て選出してもらいました。だから打ってくれよ…と願っていましたが、打撃練習では場外本塁打も打ちますし、試合ではライナー性の打球で打ってくれますし、頼もしいですね」