インスタグラム で繰り広げられるD2Cブランドの小競り合い。「価格比較」はあり? なし?
挑発には乗らなかったクインス
今回の狙いもほぼ同じことだったとスキャンラン氏はいうが、反応はさまざまだった。 コメントは賛否両論で、「両方(のブランドのセーターを)持っているけど、正直言って、お金はナーダムに使えばよかったかも。ナーダムは2着持っていて、どちらも気に入っている」というものや、「ナーダムの方がはるかに上。どっちのブランドも買ったけど、すぐにまた@naadam.coに直行した」というコメントもあった一方で、困惑したコメントやナーダムのコンセプトに対する拒否反応もあった。 あるユーザーは、「クインスを宣伝しているのはなぜ? 買ったこともないし、聞いたこともないブランドだったけど、安いからそっちをチェックしてみるつもり。変なアピールに見える」とコメントし、別のユーザーは「もっと冷静になれ。みっともないよ」と書いている。 クインスはナーダムの投稿に反応せず、これに対してスキャンラン氏はあからさまに落胆している。「向こうが刺激されて、何かやり返してくることを期待していた。その方がいい意味で楽しいからね。もしかすると、向こうはこちらが真剣だと思ったのかもしれない」。 今回の目的は純粋に楽しむことだったかもしれないが、結果としてナーダムには注目が集まり、売上にもつながっている。ナーダムがインスタグラムにこの投稿をシェアした週のサイトトラフィックは前年比43%増、売上は47%増となった。
「退屈」なクインスの反応は
Glossyがクインスにコメントを求めたところ、同社は次のような声明を発表した。「クインスは、よいものは高価でなければならないという考えに立ち向かいながら、引き続き手頃な価格で最高品質のラグジュアリーベーシックを提供することに注力している。我々のブランド理念のひとつは、消費者を教育し、最良の購買決定を行える力を身につけさせることだ」。 これに対してスキャンラン氏は「今まで見たなかでもっとも退屈な反応だと公言できることを、うれしく思う」と話した。 [原文:What’s going on with Naadam and Quince? Behind the ‘Cashmere Wars’ of social media] SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:Maya Kishida、編集:都築成果)
編集部