インスタグラム で繰り広げられるD2Cブランドの小競り合い。「価格比較」はあり? なし?
2月22日、D2Cカシミアブランドであるナーダム(Naadam)が、競合他社のクインス(Quince)を揶揄する4つの投稿をインスタグラムに連投した。
競合のマーケティング手法を揶揄
カシミアアパレルなどを扱うクインスは、ナーダムやネイキッドカシミア(Naked Cashmer)、J.クルー(J.Crew)などのブランドと直接価格を比較して販売しており、自社の50ドル(約7500円)の価格設定をアピールしている。
独自のユーモア精神で競合相手を挑発したナーダム
とはいえ、このキャンペーンの唯一の目的は、売り上げを伸ばすことでもなければ、ブランドの認知度を高めることでもなく、ただ単に「楽しむこと」だった、とスキャンラン氏は語る。ナーダムは新商品を宣伝するわけでもなく、予算はゼロだった。普段はアドビ(Adobe)で働いているグラフィックデザインチームがパワーポイントでこのミームを作ったんだと、スキャンラン氏は笑いながら話した。 クインスのマーケティングでナーダムの名前を目にする機会が増えていることについて、「こういうのは気に入らない。世界で最悪のことだとは思わないが、何かやってやれと言われているような気がする」とスキャンラン氏は考えたのだという。 同氏は、クインスがナーダムから売上や顧客を奪っていることは特に気にしていなかった。クインスのカシミアセーターは50ドル(約7500円)から最高150ドル(約2万2500円)だが、ナーダムは98ドル(約1万4700円)から最高475ドル(約7万1300円)だ。その違いから、客層も違うだろうとスキャンラン氏は言う。それでも彼は「クインスをちょっとからかってやろう」と決心した。 要するに「これまでのナーダムのマーケティング方法を見ればわかるように、我々は自分たちが面白いと思うことをやってきた」とスキャンラン氏は語った。そこで同氏は、ナーダムが2015年にローンチしたばかりの頃、ヤギが交尾をしているポスターをマンハッタン中に貼った一般向けのブランドキャンペーンについて言及した。 「ウエストヴィレッジのポスターを見に行ったときのことを覚えている。近隣住人がシャープペンで『気持ち悪いから撤去してくれ』とポスターに書いているのを見た。そして翌日そこに戻ってみると、ほかの人たちがシャープペンで、『いや、これ面白いよ。ジョークとしてウケる』と書き加えていた。それで『これって最高だな』と思った。我々はただ楽しんで、会話をはじめているだけなんだ」と、スキャンラン氏は同社ならではの独自のユーモアセンスについて語った。