実家の“たまり醤油”を継ぐ女性の一日に迫る。海外で話題になった調味料も!【美味しいところだけ毎日コスメ】
「木桶で仕込む醤油の出荷量は減少していて全国で流通している醤油量のほぼ1%しかないんです」
木桶の寿命は約100年。この桶が“山川”の醤油を育んできた。2019年には初の新桶も導入 たまり醤油を使った料理も楽しめる鵜飼い観覧ツアー企画は大好評を収めた。また、華奈子さんの活動は地元だけにとどまらない。 「木桶仕込みの醤油のシェアは減少し続けていて、現在は日本の醤油出荷量の1%ほどしかないんです。そこで、木桶を使っている全国28社の醤油メーカーとともに、木桶醤油で世界の醤油の流通量の1%を目指して、さまざまな活動を展開しています。今年3月には東京ビッグサイトで『FOODEX JAPAN 2024』に出展。7月には、東京・渋谷ヒカリエで“木桶サミット”を開催しました」
#Challenge
たまり醤油の味の濃さや深み、レシピの幅広さ、ヘルシーさまで、魅力を多くの人に伝えたい。 取引先のさまざまなリクエストに応えてカスタマイズしてきた“たまり醤油”は、オリジナル商品だけで数十種類にも 「インターンの学生さんにわが家の食事をふるまうと、大根の煮物が真っ黒なので驚かれます。昔、このあたりでは煮物にたまり醤油を使うのが普通だったのですが、現在は私の同級生でも家庭で使っている人がほぼいません。実はたまり醤油ってヘルシーなんですけどね。うまみが濃いので、レシピに書かれた醤油の分量の3分の2で十分。厳しい現状もあるにはありますが、“たまり醤油で料理する”という食文化を今一度アピールし、“たまり醤油の可能性を広めること”が目標です」
フランスや台湾など海外でもニュース化され話題になった「アイスクリームにかける醤油」(70㎖ ¥442)。かけると、キャラメルやみたらしだんごのような濃厚な味わいが加わる
Photo : Atsuko Kitaura Text : Kaoru Nakagawa ※MORE2024年秋号掲載