27歳で結婚した共演俳優との別れ、2度の活動休止も…「後悔するような生き方はしたくない」49歳になった内田有紀の“まぶしい人生”
結婚→芸能活動を休止した理由は…
これは『新・飛龍伝』の公演直前のつかとの対談における内田の発言である。翌2002年にはドラマ『北の国から 2002遺言』で共演した吉岡秀隆と結婚。それから2005年に離婚するまでの約3年間、再び芸能活動を休止する。これについて彼女は《私は不器用なので、いろんなことを一度にはできない。家事をしながら外で仕事をすることが想像できなかったし、誰かを支えることや主婦業をちゃんとやりたかったので休業しました》と説明しているが(『CLASSY.』2016年11月号)、そこには、つかとの出会いで芽生えた「今を精一杯生きたい」との思いもあったはずだ。 結婚生活にピリオドを打ち、30歳にして俳優の仕事に戻ったのも「きちんと生きていきたい」という決意からだった。
「もう絶対に後悔するような生き方はしたくない」
《その頃は『もう絶対に後悔するような生き方はしたくない』と意気込んでいました。不完全燃焼な気持ちが大きかった今までを払拭する、いい機会だと思ったんです。リスタートした時、周りの方々の見る目がすごく変わったとも感じました。30代になった私を、面白がってもらえているという感覚。自分の中で抱えていたイメージみたいなものも払拭できたと感じて、もう人から求められるイメージを常に演じていなくてもいいんだと、ふと肩の力が抜けたんです》(『STORY』2021年5月号) 2007年、9年ぶりに主演した映画『クワイエットルームにようこそ』では、閉鎖病棟に収容された女性が悶えながらその理由を延々と自問自答するさまを演じた。同作の公開時のインタビューでは、《やっと生々しい女性を演じられると嬉しくてたまらなかった。10代のときは正義感の強い、勝ち気な女の子を演じることが多かったですから》と新たな役に出会えた喜びをあらわにしている(『読売ウイークリー』2007年11月4日号)。 35歳からは演技コーチについてもらうようになり、そこでさらに自分の足りていない部分に気づいた。本人いわく《意気込んで復帰し、進んできたものの、“魂を動かす”ということはどうしたらいいんだろう? と次の壁にぶつかったことで、また一段成長できたような気がします》(『STORY』前掲号)。 そうやって壁を乗り越えたのち、40代に入ってからの出演作には、二人の女性の関係性をスリリングに描いたものが目立つ。2016年に放送されたドラマ『はぶらし/女友だち』と『ナオミとカナコ』では、それぞれ池脇千鶴、広末涼子とW主演した。前者では内田演じる脚本家がある日、池脇演じる高校時代の同級生が幼い子供を連れて家に転がり込んできたことから、やがて生活も仕事も侵食されていく。後者での役は専業主婦で、暴力を振るう夫を広末演じる親友と二人で殺害し、完全犯罪をたくらむ。