レクサスLBX 詳細データテスト インテリアの質感は高い 意外に硬い乗り心地 モアパワーがほしい
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
LBXの乗り心地は、高級車としてはぶっきらぼうだが、それ以外にも洗練性に支障がないわけではない。遮音材を増設しているにもかかわらず、小型車向けの基本構造に起因する問題がある。速度を上げたときの静粛性は立派だが、それ以上に並外れているわけではない。113km/hで68dBAというのは、ボディサイズを考えればなかなかのものだが、レクサスであればもっと高いレベルを期待したくなる。 上位機種にはアクティブノイズキャンセリングだけでなく、フロントと前席両サイドのウインドウに遮音ガラスが与えられる。その仕様を試す機会には恵まれていないが、おそらく少なからぬ差が出るだろう。振動については、今回のテスト車でも、パワートレインからもサスペンションからもほとんど出ていなかった。 トヨタとレクサスは、エントリーレベルの仕様でも快適なシートを装備する傾向にあるが、それはLBXも例外ではない。パッドのサポートがいい上に、調整式ランバーサポートも採用。テスト車の手動シートに座面チルトがついていなかったのは残念だったが、それでも太ももは問題なく支えてくれる。 着座位置は、クロスオーバーとしてはやや高め。ステアリングホイールの調整範囲は広い。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
英国市場における最廉価版は2万9995ポンド(約600万円)のアーバンだが、中間仕様のプレミアム・プラス・デザインは3万5605ポンド(約712万円)、最上位のオリジナルエディションは4万5ポンド(約800万円)。いずれにせよ、スモールカーとしては高価だ。 ましてや、基本プラットフォームが同じトヨタ・ヤリスクロスは2万5530ポンド(約511万円)から買えるのだから。しかし、洗練性やパワー、質感を考えると、価格差なりの違いがある。 他社に目を向けると、LBXと装備が同等の場合、アウディQ2の価格はほぼ変わらず、DS 3やプジョー2008はやや安い。それらよりサイズの大きいメルセデスGLAやクプラ・フォーメンターは、当然というべきか上の価格帯になる。 性能は実証済みのハイブリッドシステムを積むだけに、LBXの経済性には期待するだろうが、そこは運転の仕方に左右される部分が大きい。回生ブレーキを使わない113km/h巡航では16.0km/Lだったが、テスト時を通した平均は18.7km/Lをマークした。動力計測や高速道路での長距離移動を含めての結果だということを考えると、市街地や郊外などを走る機会の多い現実的なケースでは、もっといい燃費が出ると思っていいだろう。 レクサス車やトヨタ車の例に漏れず、保証は厚い。レクサスは標準で、全車3年/9.7万kmだが、1年/1.6万kmずつの追加が可能で、最大10年/16万kmまで延長できる。