【陸上】東北が全国高校駅伝に初のアベック出場 男子は9年ぶり、女子は21年ぶり
<東北高校駅伝>◇7日◇イーハトーブ花巻ハーフマラソンコース◇女子5区間(21・0975キロ)、男子7区間(42・195キロ) 東北(宮城)が、男女ともに東北地区代表枠をつかみ、同校初となる全国高校駅伝(12月22日、京都)のアベック出場を決めた。 男子は2時間7分19秒で全体2位、女子は1時間13分1秒で全体3位に入った。男子は9年ぶり28度目、女子は21年ぶり2度目の出場となる。宮城王者の仙台育英は、男女とも2位に約1分の差をつけてアベック優勝を果たした。 ◇ ◇ ◇ 東北が、3区でレースを動かした。トップの仙台育英と55秒差の5位でタスキを受けた3区前川竜之将(3年)は「トップで確実につなぐ」。じわじわ前との差を詰めた。第3中継所の約600メートル手前で仙台育英をかわし、1番にトラックに現れた前川は、満面の笑みで4区原田大翔(3年)にタスキを託した。 プラン通りの展開だった。渋谷武彦監督(64)は「3区でゲームチェンジをしようと。後ろがまとまっているので、そこから壊れないという自信があった」。県大会では1区を任せた前川を3区に起用した。早めに試合を動かしにかかった采配は的中。前川が55秒差を縮めるだけでなく、さらに2位を引き離してタスキをつなぐ働きで応えると、4区原田以降は2位をキープ。大きく離されず、後ろとの差も守りながら、しっかりと地区代表枠を手にした。 9年ぶり28度目の都大路に向け、まずは、まだ達成できていない2時間6分台を目指していく。前川は「チームとしては1000メートルごとに5秒ずつ上げていきたい」と意気込んだ。個人ではトップと1秒差の23分13秒で区間2位に終わり、あと1歩で区間賞に届かなかった悔しさもある。自身にとっては最初で最後の都大路。「区間賞はもちろん狙いに行きますし、チャンスがあれば、どんどん前に出ていく走りをしたい」と目をぎらつかせた。 今大会は雨や風の影響で気温が低かったため、代表枠を狙う采配を取った。だが実際は「(2時間)6分台の力はある」と渋谷監督。「県も今回も守りに入った部分がある。今度は攻めるしかない」。久しぶりの都大路で、東北が攻めの走りを見せる。【浜本神威】 ◆地区代表枠 本年度から全国高校駅伝のルールが改定され、5年に1度の記念大会で設けられていた地区代表枠が、男女ともに常設となった。地区代表は、地区大会で都道府県大会優勝校を除いた最上位の1校に与えられる。