【天皇杯】兵庫県代表の甲南大がJ3金沢に逆転勝利…17本のシュートで優勢に
◆天皇杯全日本サッカー選手権▽1回戦 甲南大1-1(PK4-3)金沢 (25日、金沢ゴーゴーカレースタジアム) 兵庫県代表の甲南大は、1-1の延長戦の末、PK戦で4-3でJ3ツエーゲン金沢を下し、初戦突破を果たした。PK戦では5人目のキッカー、當麻颯主将(22)が鮮やかにゴールを決めると、ガッツポーズしながらベンチへ猛ダッシュ。仲間たちと喜びを大爆発させた。相手ゴール裏サポーターを目の前にして、大ブーイングを浴びながらのキックだったが、當麻主将は「コイントスで負けてしまって…。でも、あんなブーイングの中で蹴るのはいい経験。自信があったので、プレッシャーはありませんでした」とケロリとした表情を浮かべた。 まぐれでも、運でもなく、自分たちの力を出し切って勝利を引き寄せた。前半9分にはセットプレーから失点を許したが、その後は徐々にリズムをつかんでボールを支配した。鋭いカウンターや、ロングスローでチャンスメーク。相手がボールを持てば、何度も猛ダッシュでカットした。竹口清一監督は「去年からいろいろと試し、引き出しを増やしていた。指示が通らない状況でも、選手が判断してプレーしてくれた。安心しながら見ていました」と振り返った。 後半17分には、MF清水健生(21)が鮮やかに同点ゴール。延長戦は押され気味だったが、試合を通して、金沢のシュート数11本に対し、甲南大は17本。金沢の堅守に苦戦しながら、何度も決定的なチャンスを作った。當麻主将は「相手の体は大きかったが、絶対に負けたくなかった。相手に揺さぶられたが、みんながよく走りました」と手応えをつかめば、指揮官は「自分たちの積み上げたものを出せた。今日の選手は精神的にもタフで、アウェーの状況でも楽しんでやってくれました」と、プロを相手に堂々と戦った選手たちをねぎらった。 試合後、金沢のゴール裏サポーターに挨拶すると、温かな拍手を送られた。2回戦は6月12日、J1湘南ベルマーレとアウェーで対戦する。「僕たちはずっとチャレンジャー。J1のレベルはさらに変わると思いますが、食ってやろうという気持ちで挑みます」と當麻主将。プロチームを連破し、ジャイアントキリングを達成する。(中田 康博)
報知新聞社