タイのセター首相が失職 憲法裁、保守派の訴え認める
【バンコク共同】タイの憲法裁判所は14日、タクシン元首相派のセター首相に解職を命じた。セター氏は即日失職した。4月の内閣改造を巡り、タクシン派の閣僚の経歴が倫理規定に反しセター氏に任命責任があるとして、保守派の元上院議員40人が5月に解職を請求していた。セター氏は記者団に「判決を尊重する」と語った。裁判官9人のうち、5人が解職に賛成した。 タイ政界は混乱必至の情勢となった。当面は暫定首相が就任し、連立与党が新たな首相選出作業を進めるとみられる。 かつて激しく対立したタクシン派と保守派は現政権で大連立を組む。昨年8月に国外逃亡先から帰国したタクシン氏を一部保守派は警戒。政治活動に関わらないとするタクシン氏だが、実際は閣僚人事に影響力を発揮していた。王室や軍との関係が深い保守派は、首相の解職請求を通じてタクシン氏をけん制する狙いがあったとされる。 保守派の元上院議員40人は首相府相に起用されたピチット氏を巡り、有罪判決を受けた過去があると指摘して首相を追及していた。ピチット氏は訴えを受けて5月に辞任した。