国産豚肉相場が過去最高に 豚熱や暑さで出荷頭数少なく
円安で輸入も減少
国産豚肉の相場が過去最高水準で推移している。建値となる東京市場の6月の豚肉上物平均価格(27日時点)は1キロ当たり748円で、足元では800円を突破した。5月末に発生した豚熱に加え、暑さで出荷頭数が減少。高騰する輸入品の代替で引き合いが強く、今後も堅調な相場が見込まれる。 6月の国産豚肉は高値だった前年同月比で7%高く、統計のある2001年7月以降の最高値を付けている。週別の相場はさらに上げており、6月第4週(27日時点)は同847円となる。市場関係者は「近年見たことない水準」という。 例年7、8月の需要期は高値が付く傾向だが、今年は出荷頭数の減少が高値に拍車をかけている。5月末には岩手県や栃木県などで豚熱が発生。暑さによる豚の受胎率や増体が不調で、出回り量が少ない。農畜産業振興機構(alic)は、6月の全国の出荷頭数を前年比1・4%減の130万9000頭と予測する。 一方、豚肉の輸入量は直近4月が前年同月比10%減で10万トンを割った。円安などの影響で欧州産を減らす動きがある。 輸入品が減少する中で、国産豚肉の引き合いは強い。ただ、出荷量の回復には時間がかかり、「夏の需要期に向けて高値が続く」(市場関係者)とした見方が広がる。
日本農業新聞