アニメ『俺レベ』制作スタジオも注目! ソニー「mocopi」の意外な活用例
3Dで制作したCGキャラクターに、mocopiで撮影したモーションデータを流し込みます。mocopiは指先の動きなどが記録できないので、まっすぐな状態で作画されたCGキャラクターの指先などに細かな動きを付け、細部を調整します。ほかにも、たとえばモーションデータに従って兵士が動き出すと、着ている鎧が身体に食い込んだような画になることがあります。このような部分をあとから手直しします。
さらにキャラクターの動きをアニメーションらしく見せるため、「タメ・ツメ」と呼ばれる動きの緩急を付けます。このような工程を経て、完成したアニメーションをレンダリングして納品するまでが一連の流れとなります。
■mocopiを使えば、アニメ制作の時間・コストが抑えられる 『俺だけレベルアップな件』のこの場面が、なぜmocopiによるモーションキャプチャー制作に適していたのでしょうか。工藤氏は「CGキャラクターが大量に出てきて、似たような動きをするシーンだから」なのだと、その理由を次のように説明しています。 「mocopiの使用の有無以前に、CGによるアニメーション制作そのものが、大量に動くキャラクターをひとつの場面に描くことに向いています。大量のキャラクターを手で書いてアニメーションを付ける負担はとても大きいものです。従来はまず10人ほど単位でキャラクターを手で書いて動きを付けていました」(工藤氏)
大量の兵士が登場するシーンも、先にmocopiを使ってモーションデータを取り込んだ後に3パターンのアニメーションを作りました。それぞれ適当な数を割り振って配置したり、同じ動きをするキャラクターも動き始めるタイミングをずらすことで、それぞれが独自に動いているように見える自然な格闘シーンを描いています。 工藤氏によると、CGアニメーションの制作手法は大きく3つに分けられるといいます。 ひとつは「⼿付け」と呼ばれる⼿法で、PCソフトを使いすべて⼿作業でキャラクターにアニメーションを加えます。ふたつめは商⽤として販売されている「アニメーションデータ」を⼟台にする⼿法です。 そして3つめがスタジオでモーションキャプチャーのデータを撮影する手法です。