全世界が緊張する「トランプストーム」…就任初日に政策41件覆す(2)
バイデン政権が意欲的に推進してきたインフレ抑制法(IRA)など環境政策も大々的に覆す可能性が高い。気候危機論を否定するトランプ氏はバイデン政権の気候変動対応政策のIRAを「新種グリーン詐欺」と規定し、当選すればこれを廃止して未執行予算はすべて国庫に回収すると公言してきた。 同時に石油・天然ガスの試錐を増やし、就任初年度にエネルギー価格を半分に下げるというのがトランプ氏の公約だ。「ドリルベビードリル(Drill Baby Drill)」というスローガンを叫んできたトランプ氏は、現政権の自動車排ガス基準規制を緩和するなど現政権の各種環境規制を廃止するという公約を実践すると予想される。トランプ執権2期目の政策を準備してきた保守シンクタンク米国優先政策研究所(AFPI)のフレッド・フライツ副所長は5月、中央日報のインタビューで「パリ協定の再脱退を『行政命令1号』として準備している」と述べた。 また、トランプ氏は就任初日にバイデン政権が年初に制定した「トランスジェンダー学生保護規定」も廃止すると主張した。ザ・ヒルは「トランプ氏が集会で最も大きな拍手を受けたケースの一つが、トランスジェンダーの女性スポーツ競技出場を防ぐと話した時だった」とし「トランプ政権になれば直ちに多様性・公平性・包容性原則が押し出されるだろう」と報じた。 トランプ氏が自身の2020年大統領選挙の結果を覆そうとした容疑に対する捜査と起訴の責任を負うジャック・スミス特別検察官を大統領就任直後に解任するという公約も実践に移す可能性が高い。また2021年の1・6議事堂乱入事件で有罪判決を受けたトランプ氏の追従者に対する大挙赦免も約束通りに進めると予想される。トランプ氏は9月、「我々が勝利する瞬間、バイデン・ハリス政権により不当に犠牲になったすべての政治犯の赦免を迅速に履行する」とし「就任初日に彼らの赦免案に署名する」と話した。米国の一部ではトランプ氏のこうした公約の多くは憲法に規定された大統領の権限範囲外にあるという指摘が出ている。 憲法専門家のスティーブ・ブラデック・ジョージタウン大法律センター教授は「トランプ氏が就任初日にすると約束したことの大部分は不法または非現実的」とし「しかし不法な内容もしばらく施行される可能性があり、実際にトランプ氏は自身が望む方向に進めることに成功する可能性もある」とWPに述べた。