【高校サッカー全力新聞】山口・高川学園「地域とともに・仲間とともに」“高川米パワー”で日本一へ
豊かな自然や文化に恵まれた本州最西端の地、山口県。12月28日に開幕を迎える第102回全国高校サッカー選手権大会に山口代表として出場するのは高川学園です。全国の初戦は12月29日の1回戦、千葉代表の市立船橋と対戦します。 【画像】山口・高川学園
■サッカー部が米作り!? 高川学園サッカー部の「部署制度」
高川学園のグラウンドの横には丁寧に耕された「畑」があります。その畑を手入れしているのは、サッカー部の生徒たちです。年間を通して玉ねぎやサツマイモ、ブロッコリーなど様々な野菜を育てています。 選手に様々なことを経験させて知見を広げてもらおうと、サッカー部の江本孝監督が6年前に導入した部署制度。「総務部」や「広報部」、「おもてなし部」など11の部署があり、すべての部員がそれぞれの部署で役割を担っています。 畑を耕し野菜を育てているのは「農業部」の生徒たちで、100回大会で話題となり世界を沸かせたセットプレー「トルメンタ」は「強化部」の選手たちが中心となって考えたものです。 そんな高川学園の生徒たちが今年新たに取り組んだのが、米作りです。もともと田んぼだったという学校横の耕作放棄地を耕し、今年6月に部員全員で田植えを実施。水の管理や草抜き、代掻きなど、地元農園の知恵も借りながら稲の成長を見守ってきました。 そして今年11月に200キロ以上もの米を収穫。脱穀した米を「高川米」として販売しました。
農業部で部長を務める久冨翔太選手は「最初のころは『育たないんじゃない?』とみんなに言われて不安だったのでうまく育ってくれてうれしい。将来は農業をやってみたいと感じるようになった」と話し、「高川米を食べて力をつけて全国大会を勝ち抜きたい」と意気込んでいます。
■「地域とともに・仲間とともに」支えてくれる人に恩返しを
米作りや農業など、サッカー以外の面でも地域の人に支えてもらっていることの多い高川学園。キャプテンの藤井蒼斗選手も「地域の人に助けてもらいながら米作りや野菜作りができている。全国大会で結果を残して喜ばせたい」と決意を語っています。 また、江本孝監督も「学校生活をともに過ごす中で、選手たちが本当に喜んでいる姿や笑っている姿を見るのは楽しい。3年間の集大成で本気の姿をまた見たい」と選手たちに期待を寄せています。 「高川米パワー」で日本一へ。高川学園の活躍に注目です。 (取材・文 高校サッカー選手権民放43社/山口放送)