【エリザベス女王杯】欧州血統由来の成長力と底力がキモ 適性舞台で末脚弾けるルージュリナージュ
有力馬の血統を解説
・レガレイラ 3代母ウインドインハーヘアにさかのぼる名牝系に属し、母母ランズエッジは名馬ディープインパクトの3/4同血の妹。さらに、母ロカはアーバンシックの母であるエッジースタイルの全姉であり、本馬はアーバンシックと同じスワーヴリチャードの産駒でもあります。 つまり、本馬とアーバンシックは血統構成が非常によく似ており、両馬とも不器用ではあるものの末脚の爆発力は素晴らしい素質馬たちです。加えて、本馬は前走馬体重が468kgの中長距離馬。京都芝2200mでの末脚勝負は大得意でしょう。 ・ホールネス 母Missunitedは欧州の芝長距離重賞勝ち馬で、本馬の半兄Eagles By Dayもイギリスの長距離GⅢウィナー。Lope de Vega産駒の本馬も母譲りの豊富なスタミナを武器に2000m以上で活躍しており、スタミナ面ではメンバーの中でも屈指の一頭といえるでしょう。ただ、前走馬体重536kgの大型馬でもあるだけに、軽い馬場よりも重い馬場での上がりのかかる競馬が理想です。 ・ルージュリナージュ 4代母フェアリードールにさかのぼる名牝系ですが、3代母ビーポジティブのラインからは2011年京都2歳Sのトリップぐらいしか重賞勝ち馬が出ていません。ただ、ディープインパクト系スピルバーグ産駒の本馬はサンデーサイレンスの3×4、Sadler's Wells≒Nureyevの4×6・5、父の母が米血のプリンセスオリビアなど日欧米混血のバランスが取れた好配合で、道中で脚をタメられれば末脚を爆発させられるタイプ。京都芝2200mのエリザベス女王杯は日本のGⅠの中で最も合いそうなレースです。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大