城氏が敗因分析「なぜ森保Jの守備は完全崩壊したのか」
いきなり殴られ、ボコボコにされた。南米のベネズエラを大阪に招いたキリンチャレンジ杯で森保ジャパンは、前半38分間で4点を奪われてディフェンスが完全崩壊。ここまで打ちのめされるとは森保監督も想定外だったに違いない。 森保ジャパンのサッカーのコンセプトは変わらないはずだったが、先発が8人も入れ替わると同じサッカーができないことを思い知らされた。ベテランGKの川島には、入れ替わったディフェンスラインへのコーチングを期待したのかもしれないが、その効果も見られなかった。失点した後の選手の対応に注目していたが、全員で集まり、ミスをした部分を確認、すぐさま修正するような作業はピッチ上で行われていなかった。2点、3点と失点を重ねるごとに「あーあ」と上を向く始末。 そこに見えたのは、レギュラー組と予備軍との格差。そして国内組が抱えるレベルの問題。つまり“世界との差”である。 開始8分。左サイドで室屋がソテルドに1対1を仕掛けられた。室屋は、切り返しに対応できず、正確なクロスを上げられ、そこにヘッドを合わせたロンドンには、佐々木がマークにつききれていなかった。二重のミスである。 彼ら2人にしてみれば、すべてのタイミングがJリーグで経験してきたものよりも早かったのだ。だから体に当てることすらできず振り切られた。 30分の2失点目は、最終ラインに走り込んできたマチスのスピード、タイミングに中島が対処できなかった。FCポルトでプレーしている中島は対人、スピードには自信があるが、追いつけなかった。彼にしても経験に基づく予知予測のアイデアが足りなかった。 33分のロンドンのハットトリックもクロスボールへの対応不足。38分の4失点目にも“世界との差”が如実に出た。マチスに右サイドから持ち込まれ、1対1で佐々木がついていたが、体を寄せずパスコースだけを切ったため、簡単にファーサイドにボールを通されてソテルドに決められた。あと1歩、体を寄せるべきだった。