韓国国会が史上最悪の「泥仕合」に、野党の“特検法”乱打で尹錫悦政権が崖っぷち
■ 尹大統領の支持率、20%割れ目前 曺国(チョ・グク)元法務部長官率いる祖国革新党も「特検法」で勢いづいている。 祖国革新党の1号法案は「韓東勲特検法」だ。保守の次期大統領の最有力候補である韓東勲・前国民の力非常対策委員長の長女が、米国のMIT(マサチューセッツ工科大学)に入学する過程に論文代筆疑惑などがあるとし、これを特別検事に捜査されるという主張だ。さらに、韓前委員長の検事時代に職権乱用の疑いがある事件も覗き見るという内容だが、曺国代表の個人的恨みを晴らす性格の特検法ということで、国民からは非難の声が高い。ただ、曺氏は、それこそ「なりふり構わぬ」様相だ。 李在明(イ・ジェミョン)民主党代表の各種疑惑を捜査している検察を特検する、いわゆる「政治検察特検法」の発議も予告されている。李代表の京畿道知事時期に民間企業であるサンバンウルが京畿道の要請で北朝鮮に不法送金したと検察が規定した事件を、「標的捜査」という名目でひっくり返そうとする狙いだ。 事件の核心被疑者であり、李代表の最側近でもある李華泳(イ・ファヨン)元京畿道副知事の一審判決を控えている中、「対北送金特検法」という名前で発議された。ほかにも、李代表の疑惑に対する検察捜査を全面否定するための特検法の発議が続々と予告されている。言うまでもなく、李代表の大統領当選のための布石だ。 韓国の司法体系を無視し、尹錫悦大統領のために準備された特検法は、すでに10以上の発議が予定されており、2027年まで続く第22代国会は「史上最悪」と評価された第21代国会よりさらにレベルの低い国会になる可能性が濃厚となった。 尹錫悦政権が野党から特検攻勢に耐えるためには、国民の支持を回復しなければならないが、5月第4週の政権支持率が21%と、20%割れ目前まで来ている。尹大統領は極めて苦しい状況に追い込まれている。
李 正宣