「立浪中日、低迷の原因は?」山崎武司がホンネ総括 育成は評価も「令和の米騒動、茶髪ルール」は…新庄監督やノムさん、星野仙一と何が違ったか
「令和の米騒動」は立浪監督が気の毒だったが
チーム内の風通しの悪さが表面化した“事件”と言えば、「令和の米騒動」だろう。昨年8月、ベンチ裏にある食堂の入口に「当面の間、白米を提供しません」と紙が張られたと報じられた。夏場に選手の調子が落ちた理由は白米にあると立浪前監督が考えて発案したという。報道によって批判されたこともあり、すぐに張り紙は剥がされて白米は解禁された。 山崎氏が驚いたのは白米を禁止されたことではなかった。報道されて話題になったところにチームの現状を感じ取った。 「僕らが中日でプレーしていた時も白米が禁止された時期がありました。星野監督はキャンプ中、白米禁止でしたから。米を禁止する良し悪しは監督が方針として決めることなので、何も気にする話ではありません。メディアにおもしろおかしく報じられて、立浪監督が気の毒でしたね」 今の時代はSNSで一般の人も自由に情報の拡散や発信ができるため、「令和の米騒動」は瞬く間に広がった。山崎氏は「チームの調子が良ければ白米禁止は称賛されたはずです。こんなことが不平不満になって外に出るのは、監督をはじめとする首脳陣の求心力が薄れている証拠です」
立浪監督の言動は大義名分が…発言に一貫性がないと
星野監督が率いた中日は、キャンプ中の白米だけではなく、映画館に行くことも遠征先での外出も頻繁に禁止されたという。山崎氏は「言い出したら切りがないくらい禁止事項がありました」と振り返る。そして、選手の不満が表に出るチームと出ないチームには「大義名分」を挙げる。 「星野監督が映画館や外出を禁止したのは、密室で風邪をもらうなど体調を崩すリスクがあったからです。野村克也監督は楽天で茶髪と髭を禁止しましたが、日本人は第一印象が大切で自ら不利な状況をつくって得はないと選手に説明していました。監督の思い付きには選手は反発しますし、理由が明確な方針であれば従います」 楽天では茶髪や髭を希望する選手もいたという。ただ、ルールを破ったり、チーム内で問題になったりするケースはなかった。また、野村監督は自身もルールを守り、ベテランや実績のある選手を特別扱いせず全ての選手にルールを適用した。山崎氏は、そこに立浪前監督との違いを感じていた。 「立浪監督の言動は大義名分がはっきりしない印象でした。監督就任会見で茶髪禁止を明言しながら、自身を含めた首脳陣は髪を茶色に染めて、特定の選手も茶髪でした。発言に一貫性がないと選手はついていこうと思わず、信頼関係は生まれません」 監督が誰であっても、プロ野球選手は結果を求められる。数字を残せなければ評価されず、ユニホームを脱ぐ選択も迫られる。ただ、選手の能力やモチベーションを引き出し、戦力を生かしたチームづくりは監督の役割と言える。両者の壁が高いほど、チームとして結果を出すのは難しくなる。
井上新監督になる中で、どうチーム再建を測るべきか
立浪監督が去り、井上一樹新監督が再建を託される中で――中日はどのような方針をもってチーム再建を図るべきか。山崎氏の挙げたキーワードは「萎縮」だった。〈つづく〉
(「プロ野球PRESS」間淳 = 文)
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