「立浪中日、低迷の原因は?」山崎武司がホンネ総括 育成は評価も「令和の米騒動、茶髪ルール」は…新庄監督やノムさん、星野仙一と何が違ったか
中日ドラゴンズは3年連続でセ・リーグ最下位に沈み、立浪和義監督の退任が決まった。OBの山崎武司氏に、この体制の総括、そしてドラフトを中心にした補強ポイントを本音で語ってもらった。〈全2回の第1回〉 【写真】「正直カッコいい…」星野監督にホメられて飛び上がってる…立浪の現役時代。酒を酌み交わす落合と星野監督、“ドジャースにそっくりユニ”だった頃や井上と山崎武司の大喜びなどドラゴンズ貴重写真を全部見る
結果が全て…ただ若手が出てきたのは功績
選手との距離感――。結果を出せなかった要因は、この言葉に集約される。 現役時代は中日・立浪和義前監督とチームメートだった野球評論家の山崎武司氏が、3年連続最下位に終わった立浪前監督のチームづくりを総括した。 「低迷した一番の原因は活躍できなかった選手にあります。選手はプロである以上、結果を出さないといけませんから。ただ、立浪像が大きすぎて、選手が本音でコミュニケーションを取れない課題は最後まで解消されませんでしたね。立浪監督が、もう少し選手に歩み寄れば良いのにと感じた部分はありました」 立浪前監督は低迷期から抜け出せないチームの再建を託された。就任前年のチームは5位。リーグ優勝は2011年から遠ざかり、その間の10年間でAクラスは2度しかなかった。現状のままでは結果は変わらないと判断した立浪前監督は、大胆な若手へのシフトを打ち出した。 若手を積極的に起用する指揮官の期待に応えた選手はいた。プロ2年目の福永裕基は規定打席不足ながら、111試合に出場して111安打を放って打率.306をマーク。同じく2年目の村松開人も109試合に出場して昨季の倍近い102安打を記録した。田中幹也は遊撃の守備で存在感を見せた。 山崎氏も若手育成の面で、立浪前監督に一定の評価をしている。 「結果が全てのプロの世界で、3年連続最下位は評価されないのは確かです。ただ、明るい材料は見えてきました。戦力として計算できる若手が出てきたのは立浪監督の功績だと思います」
ビシエドと大島…「立浪監督も経験したはずだが」
どのチームも世代交代は必要になる。そして、若手中心のチームづくりに移行する時は、“副作用”が伴う。出場機会が減るベテランが出てくるためだ。山崎氏は「急激な変化に選手がついていけなかった面があります。チームとして勝利を目指す中で、若手へのこだわりが強すぎる気がしました。ベテランを戦力として上手く生かせなかったところが最下位に終わってしまった理由の1つです」と語る。 44歳まで現役を続けた山崎氏は、世代交代によってベテランの出場が減る現実を知っている。ただ、その時に監督やコーチ陣からの言葉で、モチベーションやコンディションの維持が大きく変わると実感した。 山崎氏が今季の中日で象徴的だった選手に挙げたのがダヤン・ビシエドと大島洋平だった。 ビシエドは日本球界に来た2016年以降、大島は2010年のプロ入り以降、今季の出場試合数が最も少なかった。成績も昨季までとは比較にならないほど落ち込んだ。山崎氏は「2人の力が急激に落ちたわけではない」と話す。 「立浪監督も現役時代、晩年は嫌な思いをして、首脳陣からの言葉の大切さを知っていたはずです。ベテランは競争して若手に敗れたり、役割を明確に説明されたりすると、気持ちを切り替えてチームに貢献する方法を考えます。色んな所から話を聞いていると、立浪監督やコーチ陣は選手とのコミュニケーションが不足していて、関係性を上手く築けていなかったのかなと思っています」
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