明大・宗山塁、右肩甲骨骨折から驚異の回復で躍動/東京六大学
東京六大学野球春季リーグ第2週第1日(20日、明大21-2東大、神宮)1回戦の2試合が行われ、明大が21―2で東大に大勝し、今季初戦を白星で飾った。今秋のドラフト会議で最大の目玉とされる明大主将の宗山塁内野手(4年)は、右肩甲骨骨折から復活してフル出場。攻守に活躍した。明大は20安打を放ち、2021年秋に同大学が記録して以来となるリーグ戦8度目の先発全員安打全員得点を達成した。立大は法大を1―0で下して先勝した。 【写真】東京六大学野球を視察した侍ジャパン・井端弘和監督 宗山主将が完全復活し、打撃に守備に躍動した。打っては2安打2打点、遊撃の守備では華麗なランニングスローなどで安定感を見せた。 「できる治療をした中で、あとは自分の回復を待つだけだった。日ごとに良くなっていくような感じだったので、間に合ってくれてよかった」 2月29日のオープン戦で死球を受けた後、侍ジャパンに選出されたが、3月6日に「右肩甲骨骨折」と発表された。全治3カ月と見込まれたが、今月3日の社会人対抗戦前のシートノックに参加。6日のオープン戦に「3番DH」で実戦復帰し、14日のオープン戦では「3番遊撃手」の定位置に戻ってきた。電気治療を受け続け、骨折が判明した直後は筋肉と骨が癒着しないようにマッサージも入念にしてもらった。最初は30打席限定という医師との約束で打撃練習。その後は投手の生きた球を打席で多く見る練習を実施。右肩の状態を見つつ、徐々にコンディションを上げていった。 田中武宏監督(63)は「苦しい時期はあったと思うけど、本人の努力。けがの回復は個人差がある。まさかこういう風になるとは思っていなかったけど、日が立つにつれて現実的に開幕からいけるのかなと、日に日に感じた」と宗山の驚異の回復力に驚いた。 宗山は「いつも通り。(骨折を)気にせずに100%でやれている」とうなずいた。この日の2安打で現役最多の通算96安打とし、100安打まで4本とした。高山俊(明大)が持つリーグ戦最多安打記録までは35本だ。視察に訪れた侍ジャパンの井端弘和監督(48)、NPB各球団のスカウトらが見守る中、全快を印象付けた。 「自分たちの代の初めての勝利。10勝の中の1勝だと思って、これから一戦一戦戦いたい。チームは4冠という目標を掲げているので、まずは春のリーグ戦を優勝すること。強いチームで、応援されるチームになっていくのが一番目指すところ」
今季、三塁側で戦う際は44年ぶりにグレーのユニホームで臨む。頼もしい主将が初戦に間に合い、2季ぶりの優勝へ好スタートを切った。(尾﨑陽介)