アバターロボットで芸人が「OK!」とリアクション 愛知の展示場で集客の実証実験
アバターロボットで芸人が「OK!」とリアクション 愛知の展示場で集客の実証実験
愛知県常滑市の県国際展示場で10日、アバターロボットを活用した集客の実証実験が行われた。東京からよしもと芸人「Everybody(えびばでぃ)」がロボットを遠隔操作。ディスプレイ画面越しに「クリティカルヒット! OK!」などと来場者とのコミュニケーションを図りながら会場の雰囲気を盛り上げた。
東京からコントローラー使いロボットを操縦
先端技術の普及を促すため、愛知県が民間企業と連携して昨年度から実施している「あいちデジタルアイランドプロジェクト」の一環。中部国際空港の案内業務で先行導入しているアバターロボットをイベント会場の集客にも活用する実証実験として初めて取り組んだ。 会場となったのは、空港に隣接する県の展示場で9日から10日にかけて開かれた高校生のロボット技術競技会「高校生ロボットSIリーグ」。高校生のプレゼンテーションブースを回る形で、アバターロボット2台が登場した。 アバターロボットは縦長のディスプレイに支柱と車輪が付き、操縦者の顔がディスプレイに映し出されると実際に人がいるように見える。 今回は東京で「Everybody」の2人がコントローラーを使い、愛知の会場のロボットを前後左右に操縦。ブースの前にたどり着くとディスプレイの角度を変えながら高校生のロボットの実演を見て「動きが早い」「すごい」などとリアクションを示していた。 会場には小さな子どもたちもいて、ディスプレイを覗き込んで「こんにちは」と手を振ったり、後ろから追い掛けたりしていた。
「難しい掛け合いも上手にこなした」と手応え
ロボット開発会社「avatarin(アバターイン)」ソーシャルソリューション部/連携研究部長の筒雅博さんは「芸人さんは高校生たちとコミュニケーションをとりながら、いろんな良さを引き出すなどすごく上手だった。2台のロボットを掛け合いのように動かすのは難しいが、その場にいるかのように盛り上げてすごく価値ある実証実験になった」と話していた。 同社は航空大手のANAホールディングス発のスタートアップ企業として2020年に創業。未来の移動サービスをテーマにロボットや通信技術の開発を手掛けており、今後も愛知をはじめとした各地で実証実験などを進めていくという。 (文・関口威人、動画撮影・中村幸徳/nameken)