米権威「リング誌」は世界戦判定負けの亀田和毅を「市場価値を落とさなかった」と評価
試合後、バルガスは、リング上でのインタビューで「作戦は多くのパンチを放ち、インテリジェンスに戦うことだった。とてもスマートでインテリジェンスな戦いができたと思う。これこそが、正確に戦うボクサーのスタイルだ。亀田は、多くのファンを日本から呼んできた。だからこの判定に賛同できないのだと思う」と答えたが、同誌は、亀田がスペイン語で答えたコメントも掲載した。 「みんなにありがとうと伝えたい。私はバルガスを認める。今夜の戦いは、彼が勝ったと思うし、チャンピオンとして敬意を表したい。彼が勝ったんだ。もう一度、チャンピオンになるチャンスをつかむために、もっと学んで練習を積む必要がある。すべてのメキシコの人にとても感謝している」 その上で同誌は、敗れた亀田にこんな評価を与えた。 「とても難しい王者(のバルガス)に敗れはしたが、亀田は122ポンド(スーパーバンタム級)でいい戦いを見せた。彼は、熱烈で忠実なファンを楽しませるだけのメンタリティと個性を持っている。ラテンアメリカにおける市場価値を落とさなかった」 メキシコで修業を積み、スペイン語も堪能な亀田は、日本よりむしろラテンアメリカで評価されているようである。 現在、スーパーバンタム級の世界王者は3人いる。バルガスと、WBA、IBFの統一王者のダニエル・ローマン(米国)、WBO同級王者のエマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)の3人だ。試合後、バルガスは、リングサイドにいたローマンに統一戦を呼び掛けたが、WBAからは、先日、挑戦者決定戦を勝ったギジェルモ・リゴンドー(キューバ)との指名試合が義務づけられている。 ローマンに対しては、元IBF同級王者の岩佐亮佑(セレス)が指名挑戦権を得ている。亀田が所属している協栄ジムのプロモート力が低下しているため、世界再挑戦権を得るのは容易ではないが、今回の世界戦で、評価を下げなかったことから、今後の4団体のベルトの動向次第では、再挑戦のチャンスが生まれるかもしれない。 ちなみにリング誌は、「ローマンよ! オレたちはタイトルを統一する必要があるよな。3つのタイトルすべてが欲しい。準備はできているぞ」と語ったバルガスのコメントを引用して「自分が守れない約束はファンにするものではない」と強烈に皮肉った。