欧州トレーダー、トランプ関税リスクをヘッジ-米大統領選投票日
債券市場
欧州債は、米国債よりは好調だ。大統領選の結果がどちらになろうとも、米国では財政支出拡大が見込まれるためだ。その結果、10年物米国債のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅は先週が200ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)まで拡大し、5月以来の高水準となった。4日に米国債が上昇したことでこのプレミアムは縮小したが、選挙後の情勢によっては220bpを超える5年ぶりの高水準まで拡大する可能性もある。
一方、トランプ氏が当選しウクライナの対ロシア戦争への資金援助を取りやめた場合、その支援のための資金をユーロ圏に求める圧力が高まり、ユーロ圏はより多くの借り入れをせざるを得なくなる可能性がある。その結果、借り入れコストが上昇し、米国債との格差が縮小するかもしれない。
金利
米国の成長見通しが良好で政府支出の拡大が見込まれることから、欧州中央銀行(ECB)は、米連邦準備制度理事会(FRB)よりも速いペースで利下げを行うとみられている。
今後1年間について見ると、利下げ幅は両中銀とも125bp程度が見込まれているが、ハリス氏が勝利した場合FRBは現在の路線を維持する可能性が高い一方、トランプ氏勝利の場合その関税計画が、FRBの利下げ幅縮小への賭けを促す可能性がある。
原題:European Traders Look to Hedge Tariff Risk as US Heads to Polls(抜粋)
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Vassilis Karamanis, James Hirai