ウォンが対ドルで09年以来の水準に下落-FOMCや政治リスクで
(ブルームバーグ): 韓国ウォンが対ドルで15年余りぶりの水準に下落。米金融当局のタカ派的な姿勢がドルを押し上げ、韓国国内の政治的不透明感がウォンに対するセンチメントを悪化させている。
ドル・ウォン相場は19日に一時1.5%のドル高・ウォン安となり、2009年3月以来の水準を付けた。米金融当局が来年の利下げペースを減速させる可能性を示唆したことを受け、ドル全面高となったのが背景。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は22年以来の最高値を記録した。
韓国政治の混乱もウォン安圧力となっている。同国の尹錫悦大統領に対する弾劾訴追案が14日、国会本会議で可決された後でさえウォンは売りに押された。
大統領の罷免には、憲法裁判所の裁判官6人以上が弾劾を妥当と判断しなければならない。韓国の与党は、憲法裁判所の裁判官指名を遅らせようとしている。尹大統領罷免の可能性を高めようとする野党の取り組みを阻む狙いがあるとみられる。
投資家は韓国のリーダー不在について、重要な経済政策の妨げとなり、トランプ次期米政権との貿易交渉も複雑化させると懸念している。
輸出主導型の韓国経済を巡ってはトランプ氏による関税の脅しの影響が懸念されており、ウォンは、尹大統領による「非常戒厳」宣布の混乱が生じる前からアジアで今年最も弱い通貨の一つとなっていた。
原題:Won Slumps to Lowest Since 2009 on Hawkish Fed, Political Risk(抜粋)
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Hooyeon Kim