「感情ないの?と言われることも」女優としても絶賛される生見愛瑠の意外すぎる“素顔”
台本の読み方を木村昴さんさんに教えていただいた
――今回は、そんな生見さん愛する『ヒロアカ』の世界の一員となったわけですが、本格的に声優業にチャレンジされて、いかがでしたか? 本当に何もかも、俳優のお仕事とは違いました。まず、台本の読み方がわからなくて。『ヒルナンデス! 』を一緒にやっている声優の木村昴さんに、読み方を1から教えていただきました。俳優の現場はメイクも衣装も含めてその役になって入るけれど、声優だと外見は自分のまま声だけで役に入っていかなくちゃいけないのが難しくて。 それでも一生懸命身を削って声を出したりしているうちに、「え、自分ってこんなに大きい声出せるんだ?」という発見もありましたし、終わってからは爽快感がありました。 ――ちなみに、木村さんからはどんなアドバイスがあったんですか? 「喉も筋肉だから、よくストレッチして伸ばしていったほうがいいよ」と言ってくださったので、忠実にやってから行きました。あとは……「大丈夫だよ!」みたいな、温かい励ましもくださいました(笑)。 ――ストレッチ以外で事前に準備されていったことは何かありましたか? 台本を読み込むことと、もう1回『ヒロアカ』を見直したこと、ですかね。『ユアネクスト』にも登場するレギュラーキャラクターが目立つシーンを観たり、過去の映画を観たり。あとは特に自分の好きな回を観ていました。好きなシーンはオールマイトとワン・フォー・オールの戦いのシーン、爆豪と緑谷の対決、轟とエンデヴァーのシーン…あげればキリがないくらい、全部好きです!
4つの声を使い分ける必要があったアンナ役
――今回収録はおひとりでやっていったんでしょうか? そうなんです。ずっとひとりでやったので、相手がいない不安感がありました。尺に当てはめることが何より難しくて、合わせる技術に苦労しました。そんな私に、音響監督の三間雅文さんがめちゃくちゃ親身になってくださったんです。実際にやって見せてくださったり、台本に描かれていないことまでちゃんと設定を教えてくれたり。とても寄り添ってくださる監督だったので、安心して取り組めました。……でも(公開前の)今の段階で、まだ「あれで大丈夫だったかな?」と思うところもあるんですが……。 ――ご苦労話が嘘のように、何の違和感もなく完成作に見入ってしまいました。 本当ですか!? うれしい~。私、声が低いのでアンナの幼少期の高めの声を出すのが本当に難しくて、特に苦戦していたんです。叫ぶとかは声が低い分、手ごたえがあったんですけど、幼少期の声は監督のほうがかわいかったぐらいで(笑)。 ――演じたアンナについては、生見さんはどう受け止めていましたか? もともとは令嬢ですが、特別な“個性”を持つせいで、ダークマイトに連れ去られてしまうというキャラクターでした。 そうなんですよね。アンナはまるでお姫様みたいな見た目なんですけど、とんでもない個性を持っていて、その個性にすごく苦しめられているキャラクターでした。自分をずっと支えてくれている、執事のジュリオ(※宮野真守演じる)を大切に想っていて、迷いながらも芯が本当に強い印象でした。演じるときも「その芯の強さを大事にしてください」と、監督からは常に言われていました。 アンナの特徴で言えば、洗脳されてコントロールされるとき、普段とは全然違う声になるんです。幼少期・通常のとき・復活したとき・洗脳されたときと、二面性どころか、四面くらい使い分けをしないといけないので、難しかったですね。 ――今の演じるお話で言うと、俳優業の経験が非常に役に立ちそうですよね。 演じるという部分では確かにそうなんですけど、声優業は……やっぱり別物かも。俳優として演技をするときは、いつも「自然体」を意識して、段取りっぽくならないように気をつけているんです。でも、声優業で自然体を意識してしまうと、強弱が全然表現できなくなるんですよね。現場でも、とにかく「もっとオーバーに演じてください」と言われました。普段とは勝手がまったく違ったので、「こんなにやってわざとらしくないのかな……?」と戸惑いながらもやっていたら、アニメで見るとちょうどよくって。「自然体がいい」という意識を覆されましたし、勉強になりました。