キーマン直撃 ヤクルト・奥川恭伸、980日ぶり復活勝利…涙の真相 「挫折の経験が自分を強くしてくれる」
★取材後記
涙の復活勝利から一夜明けた15日。奥川に心境の変化を尋ねた。第一声は「切り替えです」。この1勝は通過点-。そう伝えられているようで印象に残っていたが、今回のインタビューで強い覚悟が垣間見えた。
屈託のない笑顔からは考えられないほど冷静な口調で言った「一回きりじゃ駄目」という言葉。「1軍で投げるイメージがわかない」「どう投げていたっけ」。不安を抱きながら、1軍への返り咲きを目指してもがいていた頃とは違う。1軍の戦力として戦う決意があふれ出ていた。
暗闇を抜け出した背番号18。奥川が切り開く明るい未来を、しっかり追いかけたい。(ヤクルト担当・武田千怜)
■奥川 恭伸(おくがわ・やすのぶ)
2001(平成13)年4月16日生まれ、23歳。石川県出身。星稜高2年春から4季連続で甲子園大会に出場し、3年夏は準優勝。20年にドラフト1位でヤクルト入団。21年はプロ初勝利を含む9勝をマーク。巨人とのCSファイナルステージ第1戦で完封勝利を挙げ、MVPに選出された。184センチ、82キロ。右投げ右打ち。独身。今季年俸2100万円。背番号18。