【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第15ステージ】天下無敵。最難関ステージを射止め、ポガチャルのピンクはさらに色濃く。「今の自分に満足している。タイム差も、チームも、すべてにおいて」
あらゆる喝采も、あらゆる栄光も、ただマリア・ローザのためだけに存在した。今ジロで最も長く、最も獲得標高が多く、最もフィニッシュ標高の高いクイーンステージで、タデイ・ポガチャルが王としての格を見せつけた。ラスト15kmの一人旅。雪の残る山頂でステージ4勝目を祝い、総合2位以下との距離を、さらに6分41秒へと押し開いた。大会2週目の終わりに、2024年ジロ・デ・イタリアの総合優勝争いは、どうやら完全に決着がついた。
「キャリア最高とは言えないまでも、本当に素晴らしい1日だった。チームは素晴らしい仕事をしてくれたし、イタリアでお気に入りの場所、ここリヴィーニョでの最難関ステージを勝つことができて、すごくハッピーだ」(ポガチャル)
すべては壮大な前座に過ぎなかった。スタート直後にあっさりと12選手が飛び出すが、それを良しとしないコフィディスが、執拗に高速テンポを刻み続けた。2022年ツールではヨナス・ヴィンゲゴーのお下がりで山岳ジャージを最終日まで身にまとい、この日も山岳賞でダントツ首位を突っ走るポガチャルの代わりにマリア・アッズーラを着ていたシモン・ゲシュケが、どうしても逃げを諦められなかったのだ。チームメイトの助けを得たヒゲのベテランは、ステージ最初の3級山岳の上りで、毅然と先頭集団との3分差を埋めにかかった。とてつもなく大量の仲間を引き連れて!
スタートから64km、続く2級山岳の山頂手前で、ゲシュケはついに先頭へと合流を果たす。終わってみれば、最高で山岳157ポイント収集可能なところ、たったの19ポイントしか収集できないのだけれど……58人という巨大な逃げグループの形成には一役買った。つまりこの朝スタートラインに並んだ151選手の、3分の1以上が最前線に集い、今ジロに参戦する全22チーム中19チームが選手を送り込んだことになる。VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネが前に6人も揃えた一方で、イスラエル・プレミアテックとバーレーン・ヴィクトリアス、そしてポガチャルのUAEチームエミレーツだけは全員がメイン集団に留まった。
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