【自分らしさって何?】「自分らしさ」なんて他人からの評価でしかない。マイブームという言葉の生みの親、みうらじゅんが考える「推し活」と「大好き」の違いとは?
「『ちょっと好き』くらいだと、『あの人よりも私の方が好きだよな』みたいな形で比較が生まれるから、頑張って『大好き』の状態までいかないと。そうなれば、周りの人のことなんて気にならなくなりますから」(みうらじゅんさん) 【写真】「アイデン&ティティ」公開から20年たっても変わらない関係性。みうらじゅん、田口トモロヲ、峯田和伸のいま * * * * * 自分の理想を追い続ける若きバンドマンの苦悩を描き、大ヒットした映画『アイデン&ティティ』。その公開20周年を記念して開かれたイベントに集ったのは、映画を監督した田口トモロヲさん、原作のみうらじゅんさん、そして主演を務めた峯田和伸さん。 いまでもずっと仲がいいという3人に「あなたがいま苦しいのは、他人と比較してしまうから」とお話しいただいた前編に続き、後編では「好きなことをとことん楽しむ秘訣」を伺います。 ――最近、『推し活』という言葉が定着してきています。なかには『推し活』できる対象がいないことが悩みというのも聞きます。『マイブーム』という言葉を提唱されたみうらさんは、どのように感じていますか? みうらじゅん(以下、みうら):『推し活』って言葉、ちょっと押しつけがましい気がしますけどね(笑)。『マイブーム』は、あくまでマイだから押し付けたりはしませんよ。 田口トモロヲさん(以下、田口):根本は自分推しだからね。 みうら:人に推そうと思うから、また比較が生まれちゃう。勝手に推しているんだから、悩んでどうするんだって思いますよ(笑)。 ――峯田さんは音楽活動などを通じて、たくさんの人たちから「推されて」いますよね。推される方の立場からはどう感じていますか? 峯田和伸(以下、峯田):みんな、勝手に楽しんで欲しいですよね(笑)。こっちはもう自由に、適当にやるんで。みんなも、適当に楽しんでもらえば一番良いですね。 ――自由に、適当にやる。それってとても自分らしいですよね。自分らしさは、どうやれば見つけられますか。 田口:自分らしさってものがないところからスタートして、できることややりたいことをやっていく。それがいつしか自分になっていくんじゃないですかね?