学童の待機児童1万7千人超、高止まり 夏休み開所や新規参入支援へ
共働き家庭などの小学生が利用する放課後児童クラブ(学童保育)について、こども家庭庁が調査し、待機児童数は1万7686人(今年5月1日現在、確定値)と前年から1410人増え高止まりが続いていることがわかった。また、登録児童数は151万9952人と過去最多だった。 【写真】学童職員が全員退職…不安で預けられない 変わる運営、行政の責任は 同庁と文部科学省では、年度末までに152万人の受け皿整備を見込んだがわずかに届かなかった。調査によれば、待機児童は東京、埼玉、千葉で全体の約4割を占め首都圏で目立つ。また、夏休みなどの長期休業前に待機児童が増えることや、特にニーズの高い小学1年での待機児童の解消が課題として指摘されてきた。 同庁は、夏休み期間中に同じ建物内で学童保育を拡充する場合に補助してきた。来年度からは、事業所などとは別の場所にあるスペースを利用するなどして学童保育をする場合にも、運営費を補助する予定。 今年度補正予算にも、拡充策を盛り込んだ。待機児童が50人以上いる市町村で、学校や児童館などで学童保育と同程度の開所日数や時間で児童を預かるモデル事業を始める。また、待機児童が300人以上いる都道府県や100人以上いる市町村では、児童の居場所を運営する団体やスポーツクラブなどの民間企業に学童保育への参入を促すための広報や研修にも補助する。(川野由起)
朝日新聞社